若者を中心に多く見られる画一化された「言い回し」の数々。あなたが日常で何気なく使っているその言い回し、実は正しい日本語ではないかもしれません。今回は仕事の場面などでよく使う言葉に注目して、どこがおかしいのか・どう言えば適切な日本語といえるのかを解説します。
名刺交換のシーンでほとんどの人が誤用している!
・ちょうだいいたします…×
・ちょうだいします…〇
ビジネスシーンで、必ず行なう名刺交換。そのとき、「ちょうだいいたします」と言う人がとても増えてきました。名刺をもらう相手に丁寧な言葉を使わなければいけないという意識が、「ちょうだい」と「いたします」という二つの言葉を合わせてしまった結果なのですが、日本語としては間違いです。
名刺交換のときは「ちょうだいします」と言うのがもっとも適当です。「ちょうだい」は漢字で「頂戴」と書きますが、これは両手を自分の頭上に上げ、非常に高い身分の人から賞などを授与されることを表します。
「ちょうだい」だけで謙譲を表しているのに、これに「いたします」という自分や自分の側を下位に置いて、相手を重々しく敬うための言葉を使うと、丁寧すぎて、かえって慇懃無礼な言い回しになってしまうのです。いわゆる、二重敬語と呼ばれるものです。
「拝見します」を「拝見いたします」というのも、同じく二重敬語です。「ちょうだいいたします」「拝見いたします」という言い方が段々と定着してきていますが、とくに相手がお年を召した方などであれば、慇懃無礼だと怒られる場合もありますので、気を付けたほうが賢明です。