勤務先の「生成AI導入予定」に、中高年社員は戦々恐々

ChatGPTなど、生成AIの技術の発展に伴い、業務のなかに生成AIを導入・活用する企業が増えています。

新しいテクノロジーを導入することで、ビジネスの可能性が広がることはもちろん、従業員の働き方改革につながるなど、メリットは多くあります。しかし一方で、新たな技術に「ついていけない」と感じ、涙目になっている中高年の従業員もまた、少なくないのです。

生成AIが仕事に取り入れられているいま、これらを使う立場にある人は「AIをフル活用しながらどんどん仕事内容も刷新し、しっかり稼ごう」と考える人と、「生成AIのことなどよくわからないから、給料は下がってもいいので、いまの仕事内容を変えたくない」と考える人に二分されています。

いまの中高年世代の方々の場合、会社の指示・命令通りに動くこと、そして、社内の調整力を期待されてきましたが、専門性はそこまで極めていないという人もいます。これまで慣れ親しんだ仕事内容を変更し、いまさらAIやデジタル技術の活用といわれても…と思われるかもしれません。

とくに、いまの50代のサラリーマンの皆さんは、日本的経営が当たり前だった時代に就職し、完全なゼネラリストとして育成され、おまけに終身雇用・年功序列を当然と考えてきた世代です。管理職の仕事は得意でも、いまの年齢から現場の仕事をこなすことには抵抗があるかもしれません。

そのような方々が、生成AIの活用や、リスキリングによるスペシャリストへの転向を求められても、かなり大変なのではないでしょうか。

新しいテクノロジーの導入で、中高年の仕事が消滅!?

生成AIの普及で、一部の管理職の仕事がなくなるのでは…と危惧する方もいますが、実際には、当分の間、そういった事態にはならないと予想されます。生成AIは、人間より事務処理が速く、多少マシな意思決定ができる…といった程度であり、経営判断まで任せられる万能の神ではないのです。

将棋を考えてみるとわかりやすいでしょう。将棋ソフトがトップレベルの棋士に勝つこともありますし、それらを使って腕を磨く棋士も実際にいますが、将棋ソフトが必勝法を持っているわけではありません。

それでも「いつかはAIが人間を支配する時代が来る」と予想する人もいますが、実際のところはまだわかりません。

それに、AIにすべてを完璧にやってもらうより、人間にやってもらうほうが楽しいこと、適したことも多くあります。参加者全員が、藤井聡太さんより強いAIソフトを入れたパソコンを持参する将棋大会を想像してみてください。そんなの、きっと面白くないですよね。