楽天が配送ロボットで目指す「ラストワンマイル」配送とは
楽天が配送ロボットで目指しているのは「ラストワンマイル」配送と呼ばれるもので、物流センターから各地域の配送センターまではトラック等で大量輸送し、地域の配送センターから戸建ての玄関先やマンションのエントランスまではロボットの自動配送に任せるしくみです。
2019年に最初の取り組みが発表され、横須賀市うみかぜ公園でBBQの食材や飲料などを近隣の西友からロボットで有料配達するサービスを期間限定で行いました。2020年8月と9月には東急リゾートタウン蓼科のグランピング施設で、2021年にはホンダが開発した自動配送ロボットに楽天の商品配送用ボックスを搭載し、構内で活用しました。
それまでは公道以外の公園・施設内・大学など私有地での実証実験に限られていましたが、2023年4月1日に、自動配送ロボットなど遠隔操作型小型車の交通方法などを規定した、改正道路交通法が施行されました。
改正以前は、配送ロボットが公道を走行する際、これまでは原付や軽自動車扱いとなっていて、保安基準緩和認定や道路使用許可の取得が必要で、だったのですが、改正法によって都道府県公安委員会への届出制に変わりました。
また、歩道ではみなし歩行者として従来はロボットに人がついて走行する必要があり、事実上は自動運転によるメリットはありませんでした。
改正法ではロボットの遠隔監視は必要ですが、人が同行する必要はなくなり、1人の監視者が複数台のロボットを遠隔から監視することが可能となりました。これらの規制緩和や運用によって、利便性やコスト面で実用化が促され、社会実装が身近になったのです。
また、楽天を含む8社によって「ロボットデリバリー協会」が発足され、国に変わって基準に合致したロボットかを審査する体制も作られています。