「S&P500」を勧める人の“3つの根拠”と、その根拠に対する反論

――後日

大橋:先生、ひどいじゃないですか……。

山崎先生:どうしたの?

大橋:家に帰って、先生が言ってることが正しいか、ネットで調べたんですよ。そしたら、アメリカの株が最強だから、オルカンじゃなくS&P500に連動したインデックスファンドだけを持っていればいいって言ってましたよ。先生、僕に嘘を教えました?

山崎先生:誰が言ってたの?

大橋:YouTubeのインフルエンサーです。

山崎先生:……。君は本当に私のことを信用しないね……。私のYouTubeも観てよ。

大橋:でも、結構言っている人は多いんですよ。どうしてオルカンのほうがいいか教えてください。

山崎先生:わかった。まず、S&P500に連動したインデックスファンドは、オルカンが世界全体に投資していたのに対し、アメリカの優良企業500社のみに絞った、株式の詰め合わせだね(図表1)。

出典:『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)より抜粋
[図表1]S&P500連動インデックスファンドとは 出典:『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)より抜粋

大橋:アップルとかテスラとかアメリカの企業500社に絞ると、少数精鋭でかっこいいイメージがしますが……。

山崎先生:S&P500がいいという人の意見はこのあたりだね。

・ここ30年間くらい成績が世界全体の株価指数より良かった。

・ アメリカは日本やイギリスなどとは違って、先進国で唯一、人口が増え続けているから、これから経済が成長すると考えられている。

・アメリカの証券市場は利益を投資家に還元する環境が整っている。

大橋:はい……。たしかにアメリカといえば株式取引が活発なイメージがありますし、世界の経済を牛耳っているイメージがあります。

山崎先生:でもね、S&P500が良かったのは、過去30年くらいの「済んだ話」で、「これからの話」ではない