中国では国内総生産の1~3割を占める不動産業界が大不況に陥っています。その対策として中央銀行は住宅ローン金利引き下げを発表しましたが、どれほどの効果が期待できるのでしょうか。みていきましょう。

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1.5年超物の金利は2020年以降最大の下げ幅で低下

2024年2月20日、中国の中央銀行である中国人民銀行が住宅ローンの最優遇金利基準であるローンプライムレート(LPR)を一部引き下げることを発表しました。

 

LPRは、1年物と5年超物の2つの期間に対し定められます。今回はそのうち、5年超物金利が引き下げられました。元々は4.2%だった5年超物金利は3.95%になり、0.25ポイント引き下げられました。一方、1年物は現状の3.45%のまま据え置かれるとのことです。

 

LPRのレートは、毎月見直され20日前後に発表されます。ここ1年では、1年物金利が23年6月20日と8月21日にそれぞれ0.1ポイントずつ、5年超物が同6月20日に0.1ポイント引き下げられており、引き下げ自体は珍しいことではありません。ただし、5年超物金利の下げ幅は通常0.05~0.15ポイントで、一度に0.25ポイント変動するのは2020年以降ではじめてのことです。

 

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中国経済全体を左右する不動産業への救済か

今回の大幅なローン金利引き下げは、資金繰りが悪化する中国不動産業界への救済的な意味合いがあると考えられます。不動産セクターは中国経済の成長の中心を担った産業であり、不動産業の市場規模は、調査会社によりどこまでの企業を含めるかの定義が違うため幅がありますが、国内総生産の1~3割と言われています。この産業の浮沈が中国経済全体と国民生活に及ぼす影響は大きく、政府はなんとかソフトランディングに導こうと苦心しています。

 

今回の住宅ローン金利への介入もその一環で、ローン負担を下げることで住宅購入者を増やし、不動産企業の資金繰りを助けることが目的とみられます。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。
本記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。