昔加入した保険。なかには、いまでは信じられないほど利率が高い「お宝保険」があります。本記事では、Aさんの事例とともに若いころに加入した個人年金保険を見直す時の注意点について、CFPの伊藤貴徳氏が解説します。
後悔しています…年収700万円・55歳男性、保険会社に勧められ“30年前の個人年金保険”を見直し→「受取額マイナス1,050万円」で大損のワケ【CFPが解説】
保険会社からの契約確認でAさんの個人年金は…
Aさんは今後のことも気になっていたこともあり、契約確認のため、保険会社の方と会うことにしました。自宅最寄りの喫茶店で待っていると、やってきたのは明るく元気な20代のBさん(電話口で話した現在のAさんの保険担当者と名乗る人)。Aさんの契約内容についてこう話します。
Bさん「現在ご契約の個人年金は利率もよくて、いまの段階でも十分支払った保険料よりも増えている状態ですね! でも、契約を続けていく途中で、病気や介護状態となってしまったときの保障がなにもついていないように思います。Aさんはこの点について、いかがお考えですか?」
Aさん「うーん、なにも考えていなかったですね。契約した当時は病気や介護なんて想像もしなかったですから。でもいわれてみればこの歳になると気になる部分もあります」
Bさん「それでしたら、いまの個人年金にそういった保障をつけてあげましょう! 保険を切り替える形にはなりますが、契約を続けていく途中で三大疾病や介護状態になったら、それ以降の保険料は払わなくてよくなりますよ! 保険を続けられるかなという心配がなくなります!」
Aさんは、これからの体調の面も気になっていたこともあったので、現在の個人年金を解約して、保険料免除特約付きの個人年金へ切り替えることにしました。
個人年金保険
保険料:毎月およそ3万円
加入年齢:55歳
年金受取:70歳から
年金額:年間55万円を10年間
特約:保険料免除特約(三大疾病・所定の介護・高度障害状態)
総支払保険料:約540万円
年金受取合計額:約550万円
→約1.02倍となって返ってくる
見直し後の契約は、見直し前と比べると大幅に戻り率が減少する結果となりました。
それもそのはず。見直し後の契約には保険料免除という特約が含まれているからです。特約とは、いわゆるオプションなので積立部分には反映されません。つまり利率を引き下げる要因となるのです。
もちろん、契約時にAさんはこのことについてもしっかり説明を受けて納得をしていました。しかし、若いときから加入していた個人年金が、こんなにもいい保険だったというのを筆者との相談で初めて知ることとなり、「もったいないことをしてしまった……」と後悔することになってしまったのです。