顔認証カメラがビルのセキュリティ・混雑緩和に貢献
一度、ビルOSに話を戻しましょう。館内に設置されたカメラはプライバシーに配慮しながら館内の人たちの顔認識や属性認識を行って性別や年代層を把握した上で、人がどのような流れで移動しているのかを表す「人流データ」を集計し、そうした情報は各商業施設のマーケティング等に活用されています。
また、顔認識機能を用いて過去にこのビル内で犯罪や迷惑行為をした人物をデータベース化しておき、その人物の来館を認識すると、監視員に通知が届き注意喚起されるという仕組みもあり、ビルのセキュリティにも貢献しています。
顔認証システムはオフィスワーカーの入場ゲートにも導入されています。最近はよく中層階と高層階でエレベーターが分かれている光景を目にしますが、東京ポートシティ竹芝では顔認証システムによって社員が何階のフロアで働いているかを判別できるため、たとえば、低層・奇数階で降りる社員は「A」のエレベーターに、高層・偶数階で降りる社員は「B」のエレベーターにというように、AIが最適なエレベーターへと誘導してくれます。
実際はAIによってもっと複雑な判別が可能で、できる限り停まる階を減らすなど、エレベーターの混雑緩和につなげています。