食事や生活習慣を改善すると、2週間くらいで健康的な腸内フローラに変わるといわれています。そこで本稿では、長年腸内細菌を研究し続けている医学博士の内藤裕二氏による著書『70歳からの腸活』(エクスナレッジ)から一部抜粋して、持続可能な腸のために大事なことを解説します。
プラントベースフードを摂ろう
最近、若い人の間ではプラントベースフードというのが流行っています。これは植物性の食材からなる食品全般を指す言葉です。
ベジタリアン(菜食主義者)やヴィーガン(動物由来の食品を一切食べない完全菜食主義者)とは違い、植物性食品を取り入れるライフスタイルのことをいいます。肉を食べてはいけないという意味ではありません。
しかし、持続可能な未来のためには肉を減らしてプラントベースフードに移行していくことが人類の喫緊の課題となっています。もはや好き嫌いのレベルではないのです。
また腸内フローラのことを考えるならば、赤肉は控えたほうがよい食品です。腸内フローラを悪化させないためには、1日100g 以下に抑える必要があります。
京丹後市の高齢者が食べているのも、基本的にはプラントベースフードで、それに魚介類が加わります。
彼らは自分たちが食べているプラントベースフードを、そのまま食べるだけでなく、漬け物などの発酵食品にして、飽きさせない工夫をしてきました。発酵させると味の変化だけでなく、保存性も高まります。持続可能な健康食のモデルがここにあったのです。
プラントベースフードには、肉の代わりになる大豆ミートなどの代替肉も含まれます。
これらの食品が注目されている背景は、持続可能な社会にシフトすると肉の生産が減少し、たんぱく質の供給源が少なくなるからです。