メリットが多いと言われる「新NISA」。個別株投資をするにあたって、「新NISAは積極的に活用したいが、デメリットがあることも理解し、極力損を出さないようにする必要がある」と、個人投資家の「テンバガー投資家X」氏は言います。テンバガー投資家X氏の著書『トイレスマホで「無限10倍株」 3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より、詳しく見ていきましょう。
メリットも多いが、知っておきたい“デメリット”…新NISAで〈個別株投資〉をする際に「なるべく損を出さない」コツとは【3年9ヵ月で5,975万円稼いだ個人投資家が助言】
新NISAで「テンバガー」に近づける!?
非課税で有利に投資できるNISA(少額投資非課税制度)は、2024年に新しい制度がスタートします。本来は、投資で利益を出すと約20%課税されるので、実質的な手取りは利益の約8割になりますが、NISA口座を開設してその中で行った投資であれば、利益の全額を手にすることができるのです。
2024年からは、利益に課税されずに投資ができるというメリットはそのままに、より使いやすいしくみに衣替えしました。僕の場合、2023年までは積極的にNISA口座を活用してはいませんでしたが、新しいNISAはかなり使い勝手がよくなるので24年からはフル活用するつもりでいます。旧制度からの主な変更点は以下の3つです。
1.非課税で投資できる期限がなくなる
2023年までの旧NISAは積み立て投資専用のつみたてNISAと、個別株などにも投資できる一般NISAに分かれていました。いずれも非課税で投資できる期限が設定されており、つみたてNISAは20年、一般NISAは5年間に限定されていました。
しかし新しいNISAでは無期限で投資を続けることができるようになったので、5年以上の長期投資を考えている場合でも安心して投資できます。
2.個別株投資も積み立て投資も両方できる
旧制度ではつみたてNISAと一般NISAはどちらか一方を選んで利用するしくみで、積み立て投資をしながら個別株にも非課税投資することは認められませんでした。これが、新制度では双方を併用できるようになります。新NISAでは「つみたて投資枠」と個別株などにも投資できる「成長投資枠」が設けられており、これまで通りどちらか一方だけを使ってもいいですが、併用も可能になるのです。
3.非課税で投資できる金額が増える
非課税投資は無限にできるわけではなく、旧制度ではつみたてNISAは年40万円でそれを20年継続すると最大800万円、一般NISAは年120万円が5年で、総額600万円の非課税投資枠がありました。
それが新制度では、つみたて投資が年120万円、成長投資枠では年240万円まで投資できるよう枠が拡大されています。両者を合計すると1,800万円までの非課税投資が可能です。1,800万円のうち、成長投資枠は1,200万円までとされていますが、積み立て投資であればこうした制限はなく、1,800万円すべてを積み立て投資に使ってもかまいません。
4.非課税投資枠を再利用できる
旧制度では一度非課税投資をすると、それを売却してもその枠はもう決して使えませんでした。たとえば一般NISAで120万円の株を買って、利益が出たところで売却すると、その非課税投資枠は消滅していました。
しかし、新制度では株などを売却して空いた枠は、再利用して何度でも投資することができます。売ったその日にすぐ再利用できるわけではなく、枠が空くのは翌年以降という制限はあるのですが、1,800万円の枠を何度も利用できるということであれば、一般的な収入や資産の人ならほぼNISAの範囲内で投資ができることになります。