「年金受給額の減額=損」という気持ちもわかるが…

2021年の高年齢者雇用安定法の改正により、企業には、雇用する労働者について65歳までの雇用確保義務に加えて、70歳までの就業機会の確保についての努力義務が追加されました。それに伴って、年金制度も複雑化され、私たちの選択肢も増えています。

在職老齢年金制度が適用された結果、年金受給額が減額されると、損をしているようで理不尽に感じてしまいます。しかしそれは、65歳以降もまとまった収入を得ているという証でもあります。

自分がこれまで所属していた組織から必要とされることは、お金には代えがたい豊かな人生にもつながります。「年金受給額だけをみて損かどうか」だけにとらわれるのではなく、どのような選択肢があるのか、最新の制度を確認していくようにしましょう。

※個人情報保護の観点から、登場人物の情報を一部変更しています。


石川 亜希子
AFP