落ち込んでいる友人や知人を慰めようとしたら「あなたに私の気持ちなんてわかるわけない!」と手厳しい言葉が…。ショックですし、気持ちのやり場がなくなり、ツラいですよね。一体どうしたらいいのでしょうか?※本連載は、作家・心理カウンセラーの五百田達成氏の著書『繊細な人 鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方』(PHP研究所)より一部を抜粋・再編集したものです。
「私、余計なこと言っちゃった?」傷ついた相手に寄り添ったはずが、反発されて大ショック…どうするのが正解だったの?【心理カウンセラーが回答】
傷ついた相手・落ち込んだ相手に、寄り添おうとしたら…
「ほっといて!」「わかるわけないでしょ!」…まさかの反発に意気消沈
失恋して傷ついている友達を慰(なぐさ)めようとしたら、「私の気持ちなんかわからないでしょ? ほっといて!」
仕事で失敗した後輩をいたわろうとしたら、「そのときのオレの気持ちわかります? どうせオレなんて……」
こう言われちゃうと困ります。じゃあ、どうすればいいの? 「わかるよ」と答えても、「わからない」と答えても、どっちも火に油を注ぎそう。「余計なことしちゃった……」「かえってイヤな思いをさせたかも……」と反省して落ち込むこともあるでしょう。
でも、だいじょうぶです。仮に相手が怒ったとしても、「この人を支えたい」と思ったあなたの優しさに噓はないのですから。その温かい気持ちまで否定しなくてOKです。
これはいわば「事故」のようなもの。ケガしてるネコって、差し出された指にむやみにかみつきますよね。あれと同じで、ごく自然な避けられないこと。周囲が自分より幸せに見えて腹立たしい。だから「上から目線で哀れまないでよ!」と、攻撃モードに入ってしまうのです。ネットの炎上案件も、大抵はこれが原因です。
こんなときは、「少しだけ距離を取る」のがおすすめです。
「わからないでしょ」と言われたら、「わかる」とも「わからない」とも言わずに、「でもさ、あなたが傷ついてると私も辛いよ」とだけ伝えましょう。私はあなたを大事に思っている、ということを「Iメッセージ」で伝えるのです。
そして「続きを話したくなったら連絡して」と伝えてその場を離れましょう。
相手に選択肢を残しつつ、攻撃されない距離でそっと待つ。これがお互いに傷を増やさずに済む方法。キーワードは「ケガしたネコ」です。
かみついてくる人には気持ちだけ伝えて距離を取る。
五百田達成
作家 心理カウンセラー