つらい気持ちを聞いてもらおうと思ったら、正論でダメ出しされてションボリ…。そんな経験を持つ人も多いと思います。ですが、気持ちを受け止めてもらうための、ちょっとしたテクニックがあるのです。※本連載は、作家・心理カウンセラーの五百田達成氏の著書『繊細な人 鈍感な人 無神経なひと言に振り回されない40の考え方』(PHP研究所)より一部を抜粋・再編集したものです。
「あなたも悪くない?」弱音を吐いたら〈正論のダメ出し〉をされて、撃沈…。心理カウンセラーが教える、心が弱ったときに〈うまく甘える〉方法
話を聞いてもらいたかっただけなのに…
「正論のダメ出し」をされてショック…。話を聞いてもらうには?
友人に仕事の悩みを相談しているとしましょう。
「上司がね『なんで早く報告しなかったんだ』って怒るわけ。でもさ、ずっと忙しそうにしてたから、こっちも気をつかってたんだよね」
「え、でもさ、それってあなたも悪くない?」
「……あ、うん、そうなんだけど……」
ただでさえ上司ともめてダメージを受けているのに、さらなるダメ出しにガクッと腰が砕けます。味方だと思っていた人からの冷たいひと言。裏切られたような気持ちになるし、顔がカアッと熱くなります。
友人としては意地悪をしているわけではなく、むしろ、親切で言ってるつもり。
「冷静な私が指摘してあげよう」とでも考えているのかも。普段は一緒に共感してくれる人が、突然「正論モンスター」になると、びっくりしますよね。
さて、このやりとりがモヤモヤする理由は「自分でもわかってる」から。ちょっとは私も悪かった。そんなことは指摘されるまでもなくわかってる。
でも今は動揺しているからとにかく話したい、聞いてほしい。それなのに批判された。説教された。子どもみたいに「うるさいなあ」と文句も言えないし、悩みは解決しないしで、踏んだり蹴ったりです。
では、ちょっとした悩みを相談するのはダメなのでしょうか? なんでもまずは自分の非を認めてからじゃないと、人に話してはいけないのでしょうか?
そんなことはありません! 辛いときは甘えてOK。人間だもの。
でも、言い方だけ気をつけるとよくて、おすすめは「何も言わずに聞いて」「アドバイス要らないから」「優しくして、甘やかして」と最初に宣言する方法です。そうすれば相手は「オッケー!」とただただ聞いてくれるでしょう。
……そうなんです、もちろん、そんなことを言わなくても「うんうん、辛かったね」と甘やかしてくれる相手がいればベストなんです。ですが、こればっかりはしかたがありません。なんとか工夫して生き延びましょう!
五百田達成
作家 心理カウンセラー