キャッシュレス化が進み、お金との触れ合い方も従来とは変わってきた昨今。現金であろうと、クレジットカートであろうと、「浪費を防ぐために大切なことは『管理能力』」と作家の有川真由美さんは言います。有川氏の著書『お金の不安がなくなる小さな習慣』より、お金と上手に付き合うために、支出の場面で身に付けておくと役立つ「習慣」について見ていきましょう。
出ていくお金に心で「ありがとう」と唱える
なにかを買ったり、公共料金を支払ったりするとき、「あ〜、またお金がなくなる」なんて心のなかでつぶやき、残念な気持ちになっていませんか?
それでは、お金に対してネガティブな印象がついてまわり、「なくなる、なくなる〜」と呪いをかけているようなものです。
でも、ほんとうはお金と引き換えに、喜びや楽しさ、安心など、私たちはなにかを受け取っています。支払えるお金があるからこそ、それを享受できているわけです。
財布からお金が出ていくときやカードで支払うときに、心のなかでお金に「ありがとう!」とお礼を言うことを習慣にしませんか。
すると、お金が入ってくるときも、出ていくときもゆたかな気持ちになれます。
「お金は天下の回り物」というように、お金はとどまっているのではなく、つねに世の中を巡っています。いまはお金がなくてもいつか手に入ったり、いま支払ったお金で自分もだれかも幸せになったりするのです。大切なのは、「お金は喜びを与えてくれるもの」として敬意をもち、感謝して扱うことです。
だから「私はお金に縁がない」とお金を遠ざけたり、「お金なんてなくてもいい」なんてお金に失礼なことを言ったりすると、お金からも嫌われてしまうでしょう。
お金の遣い方も稼ぎ方も、お金にどんな印象をもっているかが表れます。お金を信頼している人は、お金の持ち味を生かして、いいおつき合いができるのです。
支払いをするときに「ありがとう」と唱える習慣は、もうひとつ恩恵があります。
「いい買い物ができた」というときは、気持ちよく感謝できるけれど、衝動買いや無駄遣いをしそうになるときは素直に「ありがとう」が言えず、ストップがかかります。「ほんとうにいい買い物?」と自分に問い直すチェック機能にもなるのです。
有川 真由美
作家