“ちょっといいワイン”を手に入れたものの、すぐには飲めないという場面では、ボトルをどのように保管しておくべきでしょうか。また、ワインの温度について一般的に「赤は常温、白は冷やして」といわれますが、それは一体何度くらいのことを指すのでしょうか。本記事では、Tamy氏の著書『世界一おいしいワインの楽しみ方』(三笠書房)より一部を抜粋し、ワインをおいしく飲むための保管方法や飲み頃の温度について解説します。
ワインをおいしく保存する方法
ワインに適した環境とは、どんなものなのでしょう。それは、ワイナリーの地下室を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。暗くて湿度が高く、匂いや振動がなく、温度変化のない涼しい場所です。
普段飲むようなデイリーワインであればそこまで気を使う必要はありませんが、ちょっといいワインを買ってみたら、ぜひこの条件を思い出して保管してみましょう。
「せっかく高級ワインが手に入ったのに、すぐに飲めない」というような場合は、床下や押し入れなど温度変化の少ない暗い場所で保存するのが基本です。
ボトルを新聞紙に包み、箱に入れて寝かせた状態にするのがいいでしょう。
特に夏場は、室内でも気温が上がりやすいのでワインの劣化も進みやすい時期です。そうした時期は、冷蔵庫の野菜室など匂い移りの少ない場所で横に寝かせた状態で保存します。それでも、猛暑の際はできる限り自宅での長期保存は避けるべきでしょう。
また飲み残したワインの保存にもポイントがあります。ワインは1度栓を抜いてしまうと、空気に触れて酸化が進みます。開けたその日のうちに飲み切るのが理想ですが、数日間であればそのままでも問題ありません。
若過ぎるワインは開栓した翌日の方がおいしい場合もありますし、熟成型の繊細なヴィンテージワインはゆるやかに味が落ち着いていくので、その過程も楽しめます。
残ったワインの瓶には栓をして冷蔵庫で保存しますが、抜栓したコルクが入らない場合はワインストッパーなどを使いましょう。様々な種類がありますが、手動のポンプを使って瓶内の空気を抜いて栓ができる保存用アイテム「VACU VAN」などが定番です。
また、個人的に重宝しているのが、シャンパンストッパー。スパークリングワインを飲み残すと、炭酸ガスが抜けてしまい翌日は飲めなくなってしまいますが、この栓を使うと炭酸ガスが抜けるのを防ぎ、開けたて程とはいかないものの、翌日もおいしく飲めるスグレモノです。
また、高級ワインが手に入ったら、ワインセラーで保存するのがベストです。値は張りますが、万全の品質管理ができるようになります。