経済評論家の山崎元氏(※)は、「個人向け国債は変動金利型10年満期を買うべき」「株式の投資信託だけで充分」といいます。それぞれリスクのイメージがありますが、いったいなぜなのでしょうか。『新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』より、その理由について対話形式で詳しくみていきましょう。 ※山崎元氏は2024年1月1日に逝去されました。衷心より哀悼の誠を申し上げます。
どうしてそんなに株を嫌がるの?…“知らないまま”ではもったいない「日本国債」と「株式投資」のこと【経済評論家が解説】
「とにかくお金を安全にしておきたい人」は個人向け国債がおすすめ
山崎先生:個人向け国債変動金利型10年満期は、全ての金利商品の中で常にベストとは言えないけど、お金を安全に運用したいだけなら極めて無難な金融商品といえる。とにかくお金を安全にしておきたいだけなら、これがいいね。実家の親とかにも教えるといいよ。私の母親も結構持っているよ。
大橋:先生、ありがとうございます。正しいことを知らないって、ものすごく損なことなんですね。
山崎先生:そうだね。この世の中は知らないと損することがたくさんある。その一つの例が個人向け国債だよ。
大橋:今日はいいことを聞きました。一応、家で調べて、それを買おうかと思います。
山崎先生:でも個人向け国債なんてたいして増えないから、そんなのやめて、インデックスファンドを買って、もっと大きなリターンを狙おうよ。君、将来に向けてお金増やしたいんだよね。
大橋:(何か危ない気配になって来たぞ。やっぱり何か売り付けようとしているんじゃないか……)あ、いや……。銀行預金より安全で利回りのいいものが分かったんで、僕は満足です……。
山崎先生:まあ、悪くない心がけだけど、それでお金の心配から解放されることはないんだから、別の方法を考えないと。
大橋:……す、すみません。大切なお金なんで、株式投資のようなギャンブルをして減らしたくないんですよ。
山崎先生:……。それなら仕方がないね。だけど最後に一つだけ、お金を増やす上で、とても大切なことを君に教えてあげようか。
大橋:なんですか、大切なことって。
山崎先生:それはね、お金のことだけリスクを極端に避けるのはバカのやることだよ。
大橋:(……。バカ……。初対面でバカ……)山崎さん! いくらなんでも失礼じゃないですか。人にバカなんて。親にも言われてた事はありませんよ。もう帰ります。
・「個人向け国債」で買うべきなのは「変動金利型10年満期」
・最初の1年はおろせないが、それ以降は1年分(過去2回分)の金利を払えば換金できる。
・変動10年型は長期金利に連動するので、銀行の金利に比べて大きく損することがない。