『め』が笑っていない、とは言わせない!

「め(目)」の運動では、目の周りの筋肉「眼輪筋」を鍛えると同時に、眼球自体を動かす筋肉も鍛えています。

「笑顔でも『め』が笑ってない」と言われるような人たちは、口元は自由に動くのに目の動きがついてきていないからです。非常におもしろくて涙まで浮かべて笑うとき、目はほとんどつむってしまい、目じりにカラスの足跡のような大きな皺ができますね。

これがいわゆるビッグスマイルです。このときにできる皺を通称「笑い皺」と呼ぶ人もいますが、日焼けや加齢によるドライスキンの結果できる皺とは違うので、心配せずどんどん目を動かしましょう。

笑顔のためだけじゃない…めまい予防にもなる「眼輪筋トレーニング」

耳鼻咽喉科の医師には、「目の体操がめまい防止になる」と勧める人もたくさんいます。耳鼻科や眼科に、目の体操のポスターが貼ってあるのも納得いきますね。

医療機関にある目の体操のポスターには、次の図にある②から④までです。これに①と⑤の動きを加えたのが、私の認定講座でやっている運動になります。図を見ながらやったほうが簡単ですから、まずは見ながらやってみてください。

[図表1]めまい防止と眼輪筋トレーニング①~③
[図表2]めまい防止と眼輪筋トレーニング④、⑤

①両手の人差し指を平行にし、顔の前に置きます。指の位置は、顔を垂直に保ったまま見える最大範囲に置いてください。そのうえで、顔全体を垂直に保ったまま眼球だけを動かして、「上」「下」と順番に見ていきましょう。合計5セット。慣れないうちは「上」「下」と声を出してもけっこうです。

②次は眼球の横の運動です。両手の親指を、顔の両側に見える幅でセットしてください。眼球だけで両方の指を交互に見ましょう。①と同じように、顔を左右に動かさず正面を向けたまま、眼球だけで指を交互に見てください。5セットです。

③片方の親指であごを押さえ、もう一方の手を大きく左右に開き、指先をゆっくり目で追いましょう。左右5セットずつです。

④鼻の前に親指を立て、首を左右に回転させます。目線は鼻の前の親指にフォーカスしたままです。

⑤顔は正面のままキープします。目を右回り左回り5セット行ないましょう。

私自身も良性突発性頭位めまい症で苦しんだ時期があり、目の運動をそのときから現在まで20年ほど続けています。

佐藤 綾子
株式会社国際パフォーマンス研究所 代表