大人であればついつい面白くなくても、笑顔でその場を流すこともあるでしょう。しかし、気を付けなければ、相手にウソの笑顔を見破られてしまうかもしれません。今回は、佐藤綾子氏の著書『人生がうまくいく笑顔の教科書 科学が証明する笑顔のパワー』(ごきげんビジネス出版)より、「ウソの笑顔」について解説します。
ウソの笑顔が人にバレるワケ
もしもあなたに表情とウソの関係について何も知識がなかったとしても、相手の顔を見て「あ、この人、今ウソをついている」と感じることがあるでしょう。それはなぜですか?
結論からいうと、あなたが「3つのズレ」のどれかに気がついているからです。まだ記述的研究だけで実験データは十分ではありませんが、ウソをつくときの手のひらの汗や脳波など、いくつかの実験はすでに報告されています。
表情研究の第一人者で、アメリカのFBIの犯罪者逮捕などに大きな貢献をしたポール・エクマン博士の表情研究の中でも、とくにウソに焦点をあてた書籍『Telling Lies』(W.W.Norton & Company)と研究論文から、私が常につかっている3つのズレをお伝えします。拙著『一瞬の表情で人を見抜く法』(PHP研究所)もご参考ください。
表情からウソを見抜く「3つのズレ」
1.話している内容と表情のズレ
<ケース>
たとえば、相手の栄転を聞いて「ほう、パリ転勤ですか、おめでとうございます。よかったですね」と言っているが、表情がほとんど動かず口元がぎこちなく微笑もうとしているとき。
2.顔の上下のパーツがあらわしている感情が一致していない
<ケース>
「素敵なプレゼントをいただいて嬉しいです」と言いながら、口元には歯の一部が見えるほどの大きなスマイルを浮かべているが、目はまったく笑っていない。
3.表情筋の動きが開始する時間に差がある
<ケース>
たとえば、ここで知らないと言ったら不利だから、「はい。おもしろいですね」と言いながらニッコリ微笑んでおこう、と思ったとき。まず口元が動き、あとから目じりが下がる。
佐藤 綾子
株式会社国際パフォーマンス研究所 代表