どんな職場にも1人は必ずいる「自慢話の多い上司」。自慢話が始まったら、相手も自分も嫌な思いをせずに上手くかわすにはどうすればよいのでしょうか? 今回は、佐藤綾子氏の著書『人生がうまくいく笑顔の教科書 科学が証明する笑顔のパワー』(ごきげんビジネス出版)より、自慢話の多い上司への対処法について解説します。
会社に必ずいる「自慢話の多い上司」
あなたの会社には、「自慢話を聞いてくれるイケニエを待っているんじゃないか」と思うくらい、同じ自慢話を何度でもする上司がいませんか? しかも決まってその話が長い。
私が主催する社会人セミナーの中で、会社の場面設定の質問で上位に必ず出てくる、いわばお困りごとの常連がこれです。相手が偉い上司で自分のやってきたことに誇りがあり、しかもその話が部下の教育に必要だという強い信念の持ち主だと、聞き手はたまったものではありませんね。
自慢話にはなんと答えるのが正解?
そこで、セミナーでは答えを3択で選んでもらっています。次のうち、あなたならどれを選択しますか?
A「部長、すみません、そのお話は前に伺っています」(ペコリ)
B「そうですかー。素晴らしいことをお聞きしました。多少でも実行します」(感動してうなずく)
C「部長、それは何度伺っても勉強になるお話です。私も少しずつ頑張ります」(ニコリ)
この中でベストアンサーはCです。Aは、ノンアサーティブ(攻撃的自己表現)。Bは、初めて聞いたふりをして自分の気持ちをごまかしているので、これもノンアサーティブになります。「非主張的自己表現」と呼ばれ、相手はいい気分ですが、自分が自分の気持ちをごまかしているために、すっきりした気持ちになれません。
Cの場合は、何度か聞いている事実を伝えています。さらに「自分はまた努力する」ことを伝えているため、誰のことも否定せず、聞いたことがあるという事実だけをうまく伝えました。
(ニコリ)が重要なワケ
これが「他者肯定的自己主張」です。つまり、「アサーティブ」な態度としてお互い認め合いながら言うべきことは言うやり方です。
「何度聞いても勉強になる」といった言い方は、くれぐれも笑顔をお忘れなく。否定的なウンザリ顔も、やたらゴマをするペコペコ笑顔もダメ。ウンザリ顔は相手を傷つけ、ペコペコは自分の自尊心を傷つける。相手も肯定、自分も肯定、それほど難しいことをやるのだからクッションとしての笑顔をお忘れなく。
佐藤 綾子
株式会社国際パフォーマンス研究所 代表