電車で見かけたニコニコの赤ちゃん

赤ちゃんが目の前にいると、知らない子でもなぜかニコニコしてしまうことはありませんか?

電車の中でかわいい赤ちゃんがベビーカーに乗せられて、ニコニコと誰にともなく笑顔を振りまいています。すると、どうでしょう。向かい側の座席に座っている中年や高年齢の人が「あばばばば」などと言って、ニッコリと返すと、赤ちゃんがまた笑います。その光景をまわりで見ていた人も笑います。笑顔のやりとりを赤ちゃんと見知らぬ乗客がやっているわけです。あなたや私も例外ではなく、赤ちゃんの笑顔を見たら、みんな笑うのです。

なぜだと思いますか? 

赤ちゃんの笑顔の秘密

赤ちゃんにはまったく邪心がないのです。

たっぷり眠ったのが嬉しくて、ニコニコ笑っている。
ミルクをたっぷりもらったのも満足だ。

これが「快の笑い」です。

だんだん大人になると、なんらかのビジネス上の目的が出てきて、笑顔を向けます。信用してほしいとか、何かを買ってほしいとか思って微笑みかける。これが「社会的笑い」です。赤ちゃんの笑いは常に「快の笑い」です。

これを見ていると、見た人も無心になって快の笑いを返す。これがミラーニューロンの秘
密です。ミラーは鏡。脳のミラーニューロンは考えてから反射するのではなく、目の前で見
たものを瞬時に反射するので、ほとんど同時にそれは発生しています。

生物はみんな生きていきたい。だから、快感情をもたらすものには接近したい。その代表
的なものが赤ちゃんの笑顔なのです。

私たちは、笑顔の人のそばになるべくいたいものですね。笑顔のそばにいて笑顔を反射してハッピーな気分になりましょう。

[図表]脳のミラーニューロンの働き

佐藤 綾子
株式会社国際パフォーマンス研究所 代表