スタートアップに共通する特徴
私が起業したスタートアップに共通する基本的な特徴を抜き出してみると、会社の目指すところがすべて同じだった。それは問題を解決するということだ。
私にとって最初のスタートアップで、アップルに売却したクリアビュー・ソフトウェアは、オフィスで働く多くの人々の頭痛の種だったデータ収集とデータ管理の問題を見つけ出した。私が共同設立した旅行雑誌とインターネットのスタートアップ企業であるゲートウェイズは、何百ものB&B(朝食付きホテル)が直面していた、自分たちのホテルにいかに客を呼び込めるかという問題に取り組んでいた。かくして、この特別なリベラル・アーツ、すなわちアントレプレナーシップをブラウン大学で教えるさいの焦点は、問題解決のためのプロセスとなった。
私自身の起業体験だけを語っても、同じことはできないかもしれないし、適切でない可能性もあるので、厳密な調査やケーススタディを使ってこのプロセスを教えることにした。
私は型にはまることなくアントレプレナーシップを定義し、より包括的なアプローチをとることができたので、その中心をなしていたビジネスやテクノロジーの分野だけでなく、より幅広い学問分野から題材を集めることができた。
アントレプレナーシップが広く影響を及ぼす力を示す目玉として、最初のシラバスにインドのアラビンド眼科病院の事例を盛り込めたのは、喜ばしいことだった。さらに学生やワークショップの参加者からなる公式のネットワークをつくり、それが継続的なフィードバック・ループとなり、私は彼らの起業体験に基づいて、「発見・解決・拡大」起業プロセスを改善、更新、向上させることができるようになった。卒業生にとっては、リアルタイムの議論を通じて常に最新の情報を得て、私から、そしてお互いから学び続けられるようになった。