「残念だったな、俺はただの残像さ。本物はとっくに会社に向かってるよ」

“Joke’s on you, I’m just a mere afterimage. The realme is already on the way to the office.”

『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋 イラスト:村上哲也
『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋
イラスト:村上哲也

――残像とはそこにあったものが、去った後でも視覚に残っている映像のこと。忍者の分身の術や空条承太郎[くうじょうじょうたろう]のオラオラ言うパンチなど、漫画やアニメでおなじみですね。

また、例文のように何事も「遅さ」だけには定評のあるダメ人間が安易につくうそとしても知られています。

◆◆◆起床転結の起のフレーズ◆◆◆

「くそ! アラーム音を『蛍の光』にしたのが失敗だったか!」

“Damn it! It was totally a mistake to set ‘Auld LangSyne’ as my alarm tone!”

――哀愁が漂うメロディーとして日本人のDNAに深く刻み込まれた『蛍の光』。元はスコットランド民謡で、歌詞も原曲とは全く違いますが、この曲を聞くと、何かの終焉を感じずにはいられません。アラーム音に採用すれば寝坊は必至。DNAにはあらがえないのです。

「私は時速160kmで目覚まし時計を投げることができます」

“I can throw an alarm clock at 160 kilometers per hour.”

――大谷翔平も真っ青の地肩の強さ。「寝起きでこれならマウンドでは……」などと夢を膨らませるのは禁物。単にダメ人間の寝起きの不機嫌さと遅刻の危機がうんだ火事場のバカ力です。こういう危険人物の眠りを妨げることのないよう、細心の注意を払って生活したいものです。

「私は1秒間に16回スヌーズボタンを押すことができます」

“I can press the snooze button 16 times in a second.”

――40代以上の方にとって「1秒間に16回」というスピードは佐々木朗希の「時速160km」やリニアモーターカーの「時速600km」などよりもずっと夢のある数字かもしれません。

幼き頃の思い出と、「どうしても起きたくない」という眠気とが混ざり、スヌーズボタン相手に名人芸がさく裂するのでしょう。


中山
コンテンツクリエイター