「我二度寝する、故に我あり」

“I go back to sleep, therefore I am.”

『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋 イラスト:村上哲也
『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋
イラスト:村上テツヤ

――「我思う、故に我あり」は、自分自身の存在を証明するために提唱された、デカルトの有名な命題です。例文はダメ人間が浅はかな知恵で考えた、二度寝をすることで自身の存在を証明できるという低度な堕落性を説いた哲学的ホラです。たんに惰眠を貪りたいというクズの真理と心理を証明しています。

◆◆◆起床転結の床のフレーズ◆◆◆

「今日はたくさん寝るって、入院中の少年と約束したんだ」

“I promised a boy in the hospital that I would sleep a lot today.”

――手術を控える少年の心は、不安と恐怖でいっぱいです。彼の不安と自分自身の睡眠不足解消のためにも、家族や会社の協力を得て、目の覚めるような一睡をかましてください。

「寝坊推定時刻は9:30です」

“Her estimated time of oversleeping is 9:30.”

――5分のうっかり寝坊と、2時間以上におよぶ計画的寝坊を一緒くたにしてしまうのは、デジタル化が進んでいる昨今、あいまいがすぎると思いませんか? 正確な情報共有のために、寝坊の現場にも鑑識官による科学捜査のメスを入れる必要があると思います。

「早く起きて支度しなさい!」

“Get up and get ready quickly!”

「それは任意ですか? それとも強制?」

“Is it optional or mandatory?”

――こういうしゃらくさいバカは殴って起こしましょう。

「敵は本能にあり」

真の敵は自分の本能にあり、基本的には抗えない。類語に「三つ子の魂百まで」

「吾輩の辞書にベッドメイキングの文字はない」

“The word ‘bed-making’ is not in my dictionary.”

『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋 イラスト:村上哲也
『ろくでもない英語の言い訳300(ダイヤモンド社)』より抜粋
イラスト:村上テツヤ

――人間を2種類に分けるとするならば、それはベッドメイキングを「する人間」と「しない人間」です。そして、それはそのまま、「きちんとした人間」と「そうでない人間」に当てはめられます。自分を律することに興味のない後者のタイプにとって、ベッドメイキングは「眠い」「意外とセンスが必要」「どうせまた乱れるので無意味」など、やらないための魅力的な言い訳にあふれています。

◆◆◆起床転結の転のフレーズ◆◆◆

「布団に付着していた黄色い液体についてDNA鑑定を行っているので、起床まで少々お待ちください」

“I’m currently conducting a DNA analysis of the yellowfluid found on the futon, so please wait a little longerbefore I wake up.”

――おむつのCMなどと違い、現実の尿は黄色く臭いを放っています。熟年夫婦になると、DNA鑑定によらずとも、色と臭いで誰のものであるかをすぐに言い当てられるとか。何事も年季の入った技には勝てません。

「枕に付着した抜け毛の数が、煩悩の数と同じだったので、煩悩に従い、もう少し寝ます」

“The number of hairs shed on the pillow was the sameas the number of my worldly desires. Thus, I’ll sleep abit more in line with these desires.”

――これで一切の欲望や妄念が抜け落ち、すがすがしい1日をスタートできること請け合いです。

「私は先天性の怠惰を患っていて、時間通りに布団から出ることができません」

“I suffer from congenital laziness and can’t get out ofbed on time.”

――勤勉さをお母さんのお腹に忘れてきてしまった代わりに怠惰の才能が開花してしまったようです。

「言い訳を制するものは世界を制す」

言い訳に長けた人物こそが、トップの座を手にするという世知辛い格言。