買うことの裏側には「心理的ニーズ」がある

気持ちの問題を解決するために、私たちは、よく買い物をします。心のなかにある空白を埋めたいのです。心理的なニーズの例をいくつか紹介します。

受け入れてもらいたい

皆と同じ物を持ちたい、皆と同じことをしたいと思って、周囲の人が持っている物を自分も買います。同じ物を同じように買って、「私は、皆さんの仲間ですよ」と知らせるのです。

人間は1人では生きられないので、自分が所属するコミュニティに受け入れてもらうことは最重要事項です。自信がなく、自分なりの考え方が確立されていないと、受け入れてもらうための買い物が増えます。

ピアプレッシャーのせいで、買ってしまうこともあります。ピアプレッシャーは、学校や会社で一緒に生活している人から受ける、目に見えない期待や圧力のことで、同調圧力とも呼ばれます。

「皆が残業しているから、別に仕事はないのに、自分も残業する」というのは、よくあるピアプレッシャーによる行動ですが、買い物でも同様のことが起きます。

複数の友人と買い物に行き、本当はほしくないのに、「筆子もこれ買いなよ。おそろいで持とうよ」といわれると、その場を丸くおさめるために、いらなくても買うのです。

ちょっとほかの人と差をつけたい

私たちは、皆と足並みを揃えたいという気持ちを持ちながら、「でも、人と同じじゃイヤだ。ちょっと差をつけたい」とも思っています。人よりちょっと目立つことをすると、「すごい人だ」と皆の注目を浴びることができて嬉しいからです。

そこで、最新のガジェットや、トレンドの服を真っ先に買って、目立とうとします。

この場合、その商品がほしいというよりも、誰よりも早く買うことが重要です。

洋服もガジェットも、どんどん新しいものが出るので、前のものがまだ充分使えるのに買い替える、というショッピングが増えます。

「人より目立ちたい」という気持ちは、見栄を張るためだけの買い物も増やします。

今はインスタグラムなどのソーシャルメディアを利用している人が多いので、人に受けること、「いいね!」をたくさんもらうこと、フォロワーが増えることを目的とした、「自分の私生活をより素敵に見せるための買い物」をする人もいます。

誰だって貧乏くさい部屋より、素敵な部屋を見せたいでしょうから、はっきり自覚していなくても、ソーシャルメディアで受けそうな生活をするために物を買い集めることは、普通にあり得ると思います。

あまり自信がなく、自分のことがきらいだと、物で武装して、実際以上によく見せたいと思いがちです。