「なぜこんなものを買ってしまったのだろう?」と、購入後に思ったことはありませんか? 不要なモノを買ってしまう心理的な原因を理解すれば、ムダな出費が抑えられるかもしれません。著書『買わない暮らし。 片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法』(大和出版)より筆子氏が、貯金に回せるお金の使い方について解説します。
いらないモノを購入してしまうワケ
ちょっとしたネガティブな感情を癒やしたいとき、買い物は格好のアクティビティです。英語には、買い物をして気分を癒やすことを意味する、リテールセラピー(retail therapy)という言葉があります。リテールは「小売り」という意味です。こんな言葉があるほど、買い物は現代の先進国で、多くの人の癒やしになっています。
脳は、新しい物を手に入れることが好きなので、買い物をするとドーパミンなどの快の気持ちを生じさせる神経物質が出ます。
だから、買い物は楽しく、1番お手軽なレジャーであり、エンターテイメントです。
しかも、買い物のハードルが低いので、「ひまだ」「手持ち無沙汰だ」「1人ぼっちで寂しい」「なんだかイライラする」「おもしろくない」「つらい」「不安だ」「むしゃくしゃする」といったマイナスの感情が湧くたびに、気分を上げ、ストレスを解消するために買い物します。
「頑張った自分へのごほうび」という言葉がよく広告に使われますが、これも結局は、リテールセラピーのひとつだと思います。
仕事や勉強はつらい面もありますが、そこに喜びを見出すこともできます。それが喜びなら、つらいことも、ある程度我慢できるでしょう。「すべてがつらい」というネガティブな感情でいっぱいの人は、「自分へのごほうび」を頻繁に購入して、泣きたい気持ちになるたびに、気持ちを立て直しながら生活しています。
その結果、家のなかに買ったものがどんどん増え、倉庫のようになります。
筆子
ブロガー