「老後のために、もう少ししたら貯金を始めよう」「今月はお金を使い過ぎたから、来月は節約しないと」。より良い生活を送るためのお金の心配は、時にストレスになってしまうこともあります。著者『買わない暮らし。 片づけ、節約、ムダづかい……シンプルに解決する方法』(大和出版)筆子氏が正しいお金との向き合い方について解説します。
お金のストレスを減らすには?
「お金がない」「もっとお金がほしい」。人はお金について、毎日のように考えています。ところが、しょっちゅうお金のことを考えているのに、状況は代わり映えしません。
これはいったいどうしたことでしょうか?
貯金や投資を熱心にしている人でなくても、買い物するたびに、なんとなくお金のことを考えて、重苦しい気分になることはよくあります。
私たちのリソースである時間、体力、精神的なエネルギーは有限です。そうした貴重なリソースを使いながら、お金について、ああでもない、こうでもないと考えてしまって、心配するわりには、経済状況が改善しない。
かつての私もそういうことがよくありました。
建設的な思考をする方法
考えても何も生み出さない考え事に時間とエネルギーを使いすぎないために、建設的な思考を心がけました。
そのためにやってみたのが、次の3つです。
◆思い浮かんだら、「あ、浮かんできたな」と思う
自然に湧き上がってくるものを無理に抑え込むと、あとで反動が起きるのでよくありません。「お金があったらいいなあ」とか、「ナッツって高いなあ」と思ったら、私は、「あ、また『お金があったらいいなあ』と考えているなあ。『ナッツって高いなあ』と思ってるなあ」と考えるようにしました。
自分がしている心配を客観的に見ることにしたのです。
◆毎朝、頭にあることを書き出す
お金の心配がいっぱいあるときは、ノートにびっしりそれを書きました。
◆「では、どうしたらいいのか」と考える
「インプラントに支払うお金がないよ〜」とか、「このままでは老後貧乏になってしまう」と思ったら、「では、どうしたらいいのか? 今、打てる対策はないのか?」と考えるようにしました。そして、今の自分にできることを少しずつやるようにしました。
「大変だ。困ったよ〜」と思ったところで止まっていると、いつまでも、困って心配する状態が続きます。問題解決のために小さなことでも実践することで、心配しているだけで止まった状態から前に進むことができます。