「捨てる」には、こんなメリットがある

衝動買いを防ぐために手持ちの物を見直すとき、もう使わない物やいらない物を探して手放すと、今後は無駄遣いをしなくなります。

無駄な買い物に気付く

不用品をよく見ると、すべてが、しっかり使い切った物ばかりではないことに気付くでしょう。買ったときのみ数回使って、そのままどこかにしまいこんだ物や、買っただけで、まったく手つかずの物も見つかると思います。

「使おう」と思って買ったのに、実際は使いこなせなかった物が、家にたくさんあるのを見れば、誰でも過去にした買い物の失敗に気付きます。

そうした物が大量に出てくれば、今後はもう少し気を付けて買う気になります。大量の不用品を出すことはゴミを増やすことだから、環境にもよくありません。

安易に買わなくなる

物を捨てると、スッキリ身軽になれると言われますが、捨てている最中は、けっこうつらいものです。

パソコンやスマホが古くなったから新しい物を買ったのに、古いほうをそのまま持っている人はたくさんいます。「新しいのが壊れたときのために」とか、「持っていれば、何かに使えるかもしれない」と捨てない理由を口にするでしょう。

しかし、それは口実にすぎません。本当は、捨てるのはしんどいし、捨て方を調べるのも面倒だし、そのまま持っているほうがずっと楽だから捨てないのです。

この心理的なハードルを越え、時間や手間をかけて、不用品を捨て続けていると、「こんなことをするのは、もうイヤだから、これからは買う前によく考えよう」と思います。

自分の好きなものがわかる

衣料品や化粧品を片付ける際、残す物、残さない物を決めなければなりません。どちらにするか考えているとき、自分の好みがわかります。

「こういう傾向のものは、結局使わないんだな」「この色は好きだけれど、実際には着ないな」「ほかのアイテムと合わないな」。こんなふうに、いろいろ気付くので、今後、店でそうした商品が目にとまっても、「でも、多分着ないな。使わないな」と、買うことに自分でブレーキをかけます。

タンスやクローゼットに、よく着る服もあまり着ない服もいっしょくたになってどっさり入っていると、「私は全部好きだし、どれも必要なんだ」と思いがちです。

すべて自分の好みが反映された大事なものだと感じますが、これは錯覚です。

どんな物も長年持っていると、愛着がわき、持っているのが当たり前になってしまうだけ。さらに私たちには、いったん何かを所有すると、その品物が必要以上に価値があると思ってしまう、「授かり効果」と呼ばれる心理的な傾向があります。

一度、要不要を検討してみると、好きなもの、嫌いなもの、必要なもの、必要でないものがあるのだとわかるでしょう。