長年住んでいる自宅に劣化が見られたタイミングで、リフォームを検討する人は多いのではないでしょうか。しかし、多額の費用がかかるリフォームは「頼む順番やタイミングで損している」ケースが多いと、一級建築士でリフォームコンサルタントの高橋みちる氏は言います。高橋氏の著書『やらなければいけない一戸建てリフォーム』より、「正しいリフォーム」を実現するために大事なことをみていきましょう。
正しいリフォームの知識を身につけると、得をする!
使える部分が多いほど、リフォームは費用を抑えられます。ということは、雨漏りやシロアリなどのダメージを防ぐため適切にメンテナンスを続けることは、長い目で見てリフォーム費用を抑えることにつながります。
メンテナンスは将来的に不具合を起こさないために、現時点では何も悪くない部分に対して行います。費用がかかることですから、いざ見積書を見ると決断が鈍ることもあるかもしれません。「まだあと2~3年はやらなくても大丈夫なんじゃないか?」と。
だからこそ皆さんには、正しいリフォームの知識を身につけていただきたいと思います。なぜそれをやらなければならないのか、やらないとどうなるのか。限界まで使うことは、時に大きなリスクとなってしまいます。そこをしっかり押さえていれば、ここぞという時に正しい判断ができるようになります。
これから長い目で見て得をするリフォームを行っていくためには、無駄のない手順で計画的に行っていくことが何より大切です。
プロの知識や技術力を借りることは必要ですが、そもそも発注しないことにはプロも動いてくれません。皆さんは工事の発注者として、まずは何を発注しなければならないかを知り、計画的に発注し、その都度ごとにプロのアドバイスを受けながら、2人3脚で進めていけばいいのです。
リフォームのマイナスイメージ
リフォームのマイナスのイメージとしてよく伺う言葉に、「相場より高い金額をふっかけられるんじゃないか」「騙されるんじゃないか」というものがあります。ごく一部ですが、世の中に存在する「悪徳リフォーム業者」のせいでこのようなイメージを持たれてしまうのかもしれません。
しかし、正しい知識を身につけ、自ら計画的にリフォームを行っていけば、このような悪徳業者に入る隙を与えることもありません。
また、耐震や断熱などの性能を上げるリフォームについても同様に、「なんか良さそうだな」という程度の動機では、大きなお金をかける気にはなりませんよね。
しかし、費用対効果がわかっていれば納得して選択することができ、リフォームのやり方によっては高性能な住まいに生まれ変わらせることができます。
正しくリフォームすれば、長期的に見てコストを抑えられるだけでなく、生活の質を上げることもできるのです。
高橋 みちる
リフォームコンサルタント
アールイーデザイン一級建築士事務所 代表