アメリカの住宅の外国人購入者数ンキングで、中国が5年ぶりに首位になりました。パンデミック前の水準にはまだ届かない状況ではありますが、今後の動向に注目が集まっています。みていきましょう。

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中国人が再び、アメリカの住宅を最も購入する外国人に

NAR(National Association of REALTORS®:全米不動産事業者協会)が2023年8月1日に発表したレポートによると、パンデミックによりアメリカの住宅からやや遠ざかっていた中国人投資家が、再び外国人購入者数ランキング首位に返り咲いたようです。

 

『2023 International Transactions in U.S. Residential Real Estate(2023年版 米国住宅不動産における国際取引)』と題されたレポートは、NARが2009年から毎年行っている調査の今年の結果をまとめたもので、2022年4月から2023年3月までの12ヶ月間に米国住宅不動産を購入・売却した外国人顧客との取引に関する情報を協会に所属する事業者から集めて作成しています。

 

レポートによると、同期間に外国人が購入した住宅の金額は総額533億ドルで、アメリカ国内の中古住宅販売総額2.3兆ドルの2.3%を占めました。外国人購入者数は84,600人で、総販売件数473万件の1.8%。うち、13%を占めて首位に立ったのは中国でした。購入金額も136億ドルとダントツの1位です。以降は2位メキシコ(購入者数:11%、購入額:42億ドル)、3位カナダ(購入者数:10%、購入額:66億ドル)、4位インド(購入者数:7%、購入額:34億ドル)、5位コロンビア(購入者数:3%、購入額:9億ドル)と続きます。

パンデミックにより4位まで落ちた購入件数が、再び首位に

中国人投資家は、かつて世界一アメリカの住宅を購入する外国人だったカナダを、金額ベースでは2013年に、件数ベースでは2015年にそれぞれ抜き去り首位に立ち、以降も順位を守っていましたが、パンデミックが発生した2019年に件数ベースでカナダに首位を譲り、2021年、2022年は4位に沈んでいました。

 

※金額ベースでは、パンデミック期間中も含め、現在まで首位記録を更新中。

 

アメリカの不動産業界にとって大口顧客だった中国人投資家の米国離れは大きな痛手であり、ようやく彼らが戻ってきたことに、関係者らの期待感が高まっています。

 

NARのチーフエコノミストであるローレンス・ユン氏は、中国人投資家の動向について「(2022年からの)倍増したと言っても、昨年が非常に低い数字だっただけで、新型コロナウイルス感染前の状況と比べればまだ明らかに大きく下回っている」としつつ、「中国は非常に大規模な封鎖を行ったため、その影響がまだ残っており、すぐに米国に戻って来れない」と現在の購入者数を上回る需要があることを指摘しました。

中国人投資家はアメリカの住宅から離れつつあるというデータも

そうした声がある一方で、中国人投資家は米国以外の国に魅力を感じていると示すデータもあります。グローバルな不動産市場を中国語で検索できるサービス『Juwai.com』を運営するマレーシア企業・Juwai IQI の調査によると、2023年上半期に中国人投資家が住宅投資をした国の1位はオーストラリアで、アメリカはカナダ、イギリスに次ぐ4位でした。

 

同社の過去の調査でのアメリカの順位は、2位(2020)、2位(2021)、3位(2022)で、徐々に順位を落としている傾向にあります。私企業のデータで、NARのレポートに比べれば信用度はやや落ちますが、中国人投資家が米国に完全に戻ってくるのかどうかはまだ断言するには早いかもしれません。

 

いずれにせよ、中国人投資家が外国住宅投資で世界一であるという事実は揺らぎません。需給バランスに大きな影響を及ぼし得る彼らの動向に注目です。

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。
本記事は、掲載日時点の情報を基に作成しています。最新状況につきましては、スタッフまでお問い合わせください。