ダウン症とは、染色体の異常から発症するダウン症候群という先天性の疾患です。ダウン症の多くは知的障害との合併を伴い、さまざまな身体的異常が見られるのが特徴です。一般的にダウン症は運動機能や知能、言葉などに発達の遅れが見られます。また、さまざまな合併症を発症するため継続した治療が必要となる場合があります。今回は、ダウン症の身体的特徴や合併症の発症の原因、また、合併症の種類などについて解説します。

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ダウン症とは

ダウン症は染色体異常のひとつです。人の21番目の染色体が、通常より1本多く3本になることで発症します。

 

現在の医療技術には、胎児の時に染色体異常などの先天性疾患があるかどうかを調べることができる検査があります。出生前検査と呼ばれるものです。検査の種類にはいくつかありますが、胎児がダウン症であるかどうかを診断できるものもあります。

 

ダウン症にみられる特徴として、知的機能や運動機能の遅れがあります。また、合併症として心臓、呼吸器、消化器、耳や眼などに疾患が現れることがあります。他にも筋肉の緊張度が低いといったものなど、さまざまな身体的異常がみられます。

 

日本のダウン症の推定出生数は年間約2,200人であるとされています。これは2019年に日本人医師により発表されたものです。2010年〜2016年の7年間は、ほぼ横ばいとなっています。

 

ダウン症の特徴的な外見としては頭部が小さい、目がつりあがっている、鼻が低い、小さい耳が頭部の低い位置にある、低身長などがあります。

 

また、筋肉の緊張度が低く、舌が大きいため口を開いたままであったり、乳児期であれば哺乳がうまくできない、首が座りづらいなどの症状などが挙げられます。

合併症はなぜ起こる?

人間の体は細胞からできており、細胞の核のなかに染色体があります。染色体の中には、遺伝情報が記録されたDNAが収納されています。DNAとは人間の体を作る設計図のようなものです。

 

ダウン症は、その設計図の入った21番目の染色体に異常が起きることで、通常とは異なるさまざまな症状が身体に現れます。

 

高齢出産になるとダウン症の出生率が高くなります。染色体異常は卵子の分裂異常によって引き起こされるので、年齢が高くなると卵子の機能が衰えて分裂がうまくいかないことが原因だと考えられています。

 

人の染色体は46本あり父親と母親それぞれから23本ずつ受け継いでいます。46本の染色体は、22組のペアの常染色体と2個の性染色体からなっています。

 

ダウン症は、本来2本であるはずの染色体の21番目が3本になることで発症します。染色体異常症といわれる疾患のひとつです。染色体が3本になった状態をトリソミーといいます。そのためダウン症は21トリソミーとも呼ばれます。

 

異常が起こった染色体の構造により、標準型・転座型・モザイク型とダウン症を3つに分類します。発症頻度が最も高いのは標準型です。全体の約90パーセント以上といわれています。標準形の場合は、両親の染色体にほとんど問題がないとされ、受精した時に偶然に起こるものとされています。

 

合併症は全てのダウン症に起こるわけではありません。ダウン症と診断されても発症する合併症の種類や症状、程度は人によってさまざまです。

 

現在の医療では、ダウン症の原因である染色体異常を根本的に治す方法はありません。

 

しかし、ダウン症によって生じるそれぞれの症状に対して治療を行うことは可能です。

 

医学が発達したことで、妊娠中に胎児の異常が発見される場合や、出産直後の検査で異常が発見されるようになり早期に治療を開始できるようになっています。

 

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