不動産クラウドファンディング「利回りくん」とは
「利回りくん」とは、不動産事業を幅広く展開する株式会社シーラが2021年にサービス提供を始めた不動産クラウドファンディングだ。お笑いコンビ「ミルクボーイ」が出演するテレビCMでご存知の方も多いであろう。
業界では後発ながら、会員数は2年連続で国内No.1。現在の登録会員数は27万人を超える。
不動産クラウドファンディングとは、不動産投資に必要な資金を小口化し、インターネットを通じて不特定多数の投資家に販売するサービスのこと。投資家は不動産の賃料収入などから、出資した口数に応じて分配金を受け取る。
高い利回り効率や、ネットで手軽に投資できることなどを背景に人気が高まり、市場は急拡大している。
杉本氏「不動産投資は、わかりやすさが大切だと思っています。個人でビルやマンション1棟に投資する場合、多額の資金が必要です。また、価格や金利、家賃、地価の変動など経済のマクロもミクロも考えなければなりません。
そんななか、『利回りくん』は1口1万円から投資でき、手続きはネット上で完結。年間利回り5%(税引き前)ならば1年間で500円(同)の利益が得られます。投資家からすると、UI(ユーザーインターフェイス)、UX(ユーザーエクスペリエンス)も非常にわかりやすいサービスだと思います」
こう説明するのは、シーラの持ち株会社である株式会社シーラテクノロジーズ代表取締役会長グループ執行役員CEOの杉本宏之氏だ。同社は2021年に楽天と資本業務提携したほか、23年に日本市場を飛び越え、米国ナスダック市場に先行上場したことでも注目される。
事業者の夢や挑戦を“応援”する…「利回りくん」ならではの面白味
「利回りくん」が他社の不動産クラファンと大きく異なるのは、「応援型不動産クラウドファンディング」をうたっている点であろう。
杉本氏「『利回りくん』は『社会貢献、地域創生、誰かの夢や挑戦を応援』をサービスコンセプトにしている、これまでにない不動産クラファンプラットフォームです。
一般の不動産クラファンは運営会社が自社で不動産を建築したり、自社で保有したい不動産を対象に投資を募るケースが多いと思います。当社にもそういう一般的な案件はありますが、他の事業者様を応援するためのファンド組成に力を入れている点が、同業他社とは大きく異なると考えています」
その代表例が、実業家の堀江貴文氏が創業したロケットベンチャーインターステラテクノロジズ社の工場に投資する「ロケットファンド」だ。
そのほかにも、作家・コメンテーターの乙武洋匡氏がアンバサダーを務める障害者向けグループホームや、ZOZO創業者前澤友作氏の「犬猫殺処分ゼロ」という挑戦を応援する「イヌネコヒルズ」など、熱い夢を持つ多くの事業者とタッグを組み、地域創生や社会貢献を目的にした案件を組成してきた。
楽天グループとの業務提携→会員数が約3倍に
また先述のとおり、2021年12月、シーラは楽天グループと資本業務提携した。
杉本氏「楽天会員が『利回りくん』に会員登録し、ファンドに投資していただくと、『利回りくん』にログインするだけで楽天ポイントが付与されます。投資額に応じてポイントが加算され、誕生日には100ポイントがプレゼントされるなどさまざまな仕掛けがあり、楽しみながら投資していただける仕組みをつくっています。
また、楽天会員はこのように『利回りくん』で得た楽天ポイントを、さまざまな楽天サービスに使うことができます。楽天グループさんにとっては自社サービスの利用拡大にもつながりますから、相互にメリットがあると考えています」
さらに楽天会員の投資を促進するために、同社は2023年2月から、楽天ポイント(通常ポイント)から、利回りくん独自の「利回りくんコイン」へのポイント交換サービスを開始した※。
※ 利回りくんコインとは、「利回りくん」で使用できる独自コインのこと。「1コイン=1円」で出資金額に充当できる。なお、出資金額への充当は1,000コイン(1,000円相当)から1,000コイン単位となっている。
楽天ポイントを「利回りくんコイン」へ交換することで、ポイントもファンドへの投資資金の一部として使用可能だ。
この楽天グループとの資本業務提携はまさに吉と出た。「利回りくん」の飛躍の大きなきっかけとなり、「利回りくん」の登録会員数は提携開始から2年弱で約3倍に急増した。
損失の一部は“シーラが負担”!?…「利回りくん」の特徴
不動産クラファンは投資である以上、リスクもある。まず当然だが、元本保証ではない。想定通りの賃料収入が得られなければ、想定利回りよりも分配金が減ったり、元本の一部または全部が返還されないといったリスクがある。
杉本氏「『利回りくん』のファンドの多くは匿名組合型です。運用資産の評価額が下落した場合、その下落額は、まずは劣後出資者であるシーラが負担します。その後、劣後出資者の元本全額をもって補填できない場合には、優先出資者の元本が減少するというしくみです。
たとえば、優先出資:劣後出資=95:5の場合、不動産評価額が運用開始時評価額の5%超下落しなければ、投資家の元本に変動はありません。
また、投資家の資産を安心・安全に運用するために、案件は弊社が厳正に審査しています。実際のところ、これまでにデフォルト(債務不履行)は1件も起きていません」
圧倒的な“需要超過”だったが…「利回りくん」は次の段階へ
ここまで見てきたように、「利回りくん」は急成長を遂げている。案件数は56本(23年9月末現在)、組成した金額は33億8,000万円に達する。さらなる事業拡大に向けて、シーラは案件の組成に一段の力を注いでいる。
杉本氏「今年前半までは、投資家の需要に対してファンドの供給が追いつかず、ニーズに応えきれていない部分がありました。募集金額には上限が定められているため、『1,000万円投資したかったけれど、倍率が高くて100万円分の投資枠しか当たらなかった』といった事案も起きていたのです。
ただし、足許では募集金額が1億円を超える大型案件についても複数準備が進んでいます。それに伴い、投資家の数や投資規模を増大していきたいと考えているのです」
同社は「利回りくん」史上最高額の大型ファンドとして、「麻布台パークハウス」最上階ペントハウスの募集を10月2日に開始(すでに終了)。金額は5億2,904万円にのぼる。
またこのほかにも、さまざまな新規プロジェクトが動き始めているようだ。「利回りくん」の動向に目が離せない。
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株式会社シーラテクノロジーズ
代表取締役会長/グループ執行役員CEO
杉本宏之