メタバースへの関心が高まる中で、新たな働き方として「メタバースで働くこと」に対する期待も高まっています。メタバースは、アバターを通じたオンラインでの活動を可能にし、これまでにない働き方を生み出し、個人の特性に適した働き方を提供できる可能性があります。新しい働き方の可能性が広がるメタバースの世界で、私たちの未来はどのように変わっていくのでしょうか。本記事では、メタバースによる新たな働き方について紹介します。
未来の職場はバーチャル?メタバース時代の「新たな働き方」と自己表現のかたち (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

メタバース内における新たな職業の可能性

筆者自身が取り組んだメタバース内の学校「私立VRC学園」やVR美術館においても、講師や案内役が存在しています。メタバース内での授業や案内業務は、現実世界で行われている教育やガイド業務と大きな違いはなく、今後ますます広がる可能性を感じています。

 

現在、メタバース内での職業はまだ一般的ではありませんが、様々なイベントの数は増加しており、イベント運営や顧客対応を行う人材の需要も高まっています。

 

VRChatで定期的に行われる「Vket」や、サンリオの「SANRIO Virtual Festival」など、企業や個人がメタバースでのイベント開催を当たり前のように行っており、メタバース内でのイベントスタッフのアルバイトも定期的に募集されています。

 

また、姫宮VIGサービスが手がける店舗型VRChat体験サービス「スグバース」では、仮想空間内でバーチャルアテンダントから案内を受けることができます。バーチャルアテンダントという仕事も、これまでにない新しいワークスタイルです。

 

メタバース内で英語を教える筆者とその友人たち

 

この時代に求められるのは、メタバース内での接客スキルや円滑なコミュニケーション能力を備えた人材です。メタバースは、IT知識や新しいデバイスの取り扱いに精通していない人々にとっては、操作が難しかったり、メタバース内での適切な行動が分からなかったりするため、参入障壁が高いといえます。

 

このため、メタバース初心者を案内するコミュニティなども存在しており、多くの新規参入者がメタバースでの楽しみ方を教えてもらったり、メタバースに広がるワールドの案内を受けています。今後、メタバース内のイベントスタッフはますます需要が高まっていくでしょう。

アバターを使ったコミュニケーションスキルの価値が上昇

筆者の齊藤大将と画家の植村友哉氏で行っているメタバース展示会イベントの様子。プロの画家である植村友哉氏が作品の解説を毎週行っている。
筆者の齊藤大将と画家の植村友哉氏で行っているメタバース展示会イベントの様子。プロの画家である植村友哉氏が作品の解説を毎週行っている。

 

メタバースでは、アバターを使用してコミュニケーションを取ることが必要となります。メタバースでは自分の本来の外見に左右されることなく、アバターを介して他の人々と交流できます。このため、日々開催されている様々なイベントにも、イベントスタッフや講師、ライブ配信など、基本的に誰もが同じように参加できるのがメタバースの特徴です。

 

ただし、アバターを使用したコミュニケーションには慣れやテクニックが必要です。外見と実際の中身が異なる相手と、スムーズな対話や案内、講義などを行うのは初めは誰にとっても難しいことかもしれません。

 

したがって、アバターを介した円滑なコミュニケーションができるスキルは今後ますます価値が高まるでしょう。関連する例として、Vtuber(バーチャルユーチューバー)として活動する人々がアバターを使用してYouTubeで配信するケースは、いまや日常となりました。現実の自己とは異なるアバターを使用する場合、コミュニケーションスキルやアプローチに違いが生じます。

 

メタバースでも同じ考え方が適用されます。メタバースでは「まさに目の前に人がいる感覚」を得ることができますが、あくまでアバターを通した他者との接触です。またVtuberとは異なり、メタバースでは会話相手もアバターを使用しているため、アバター同士でのコミュニケーションスキルが必要です。

 

さらに、通信環境の影響による会話のラグや、操作方法、音声の調整などをスムーズに行うための豊富なIT知識も必要となってきます。