イーロン・マスクの下、Twitterは「X」へと名称が変わりました。マスクはXを、決済やエンタメなどあらゆる機能を盛り込んだ「スーパーアプリ」へと発展させることを目指しているのではないかといわれています。スーパーアプリはもともと中国で生まれ、発展してきたものです。スーパーアプリとはどのようなものか。Xはスーパーアプリになれるのか。中国をはじめとする国際的なテック事情に詳しいジャーナリスト・高口康太氏が解説します。
イーロン・マスクが「X」で目指すもの…1つのアプリで“すべて”が完結する「スーパーアプリ」への道 (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

「X」の大改革が目指すもの

(※写真はイメージです/PIXTA)
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ソーシャルメディアサービス「X」(旧Twitter)の大改革が続いています。イーロン・マスクに買収されて名称が「X」へと変更になり、デザインもがらりと変わったほか、注目された書き込みに対して他のユーザーが注釈をつけられるコミュニティノート機能がリリースされるなど、外見だけではなく機能面でも変更が目立ちます。

 

今後もさらなる機能追加が予告されており、決済やネットショッピングなど、およそソーシャルメディアとはかけ離れた機能も搭載していく模様です。Xへと変わった後、激変が続いており、古くからのユーザーには、なじみのサービスがいったいどうなってしまうのだろうと不安に感じている人も多いようです。

 

EV(電気自動車)大手のテスラ、宇宙事業を手がけるスペースXなど、複数のスタートアップ企業を成功させてきたイーロン・マスクは、エキセントリックな発言で知られているだけに、思いつきだけで変えているのではと疑う人もいます。しかし、改造後のXの姿には明確なビジョンがあります。そのキーワードとなるのが「スーパーアプリ」です。

スーパーアプリとは

(※写真はイメージです/PIXTA)
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スーパーアプリとは、きわめて多くの機能を統合したアプリのことを指します。代表格とされるのが中国の「アリペイ」、「ウィーチャット」です。

 

アリペイはもともと中国EC(電子商取引)大手アリババグループのネットショッピング用決済サービスとしてスタートしましたが、送金機能やお店での決済機能などを備えていき、全面的なフィンテックサービスへと進化しました。

 

中国のもう一つのスーパーアプリ、ウィーチャットは2011年にサービス開始しました。中国版LINEといわれることもあるメッセージアプリですが、そのMAU(月間アクティブユーザー、月に1度以上利用したユーザーの総数)は2023年第1四半期に13億1,900万人に達しています。内訳は非公表ですが、そのほとんどが中国国内の利用者と見られます。スマートフォンを持っている中国人はほぼ全員がウィーチャットを使っています。