「一括返済」の申し出に副支店長が登場
無事に借換先の本審査を終えた相談者は、一括返済の手続きを行おうと元の銀行の窓口に出向きました。窓口担当者が慌てふためいたような様子でバックヤードに入っていった数分後、奥から副支店長が出てきたといいます。
副支店長は引き留めの案として、今後の住宅ローン返済の金利引き下げを提案しました。
提案された金利は1%台後半。ただ、借換先の銀行の金利はちょうど1%程度であり、手続きにかかる諸経費を考慮しても借換をしたほうがメリットが大きいため、引き留めの提案には乗らず、粛々と一括返済の手続きを進めたといいます。
借換を検討したほうがいいケースとは?
大半の人が、住宅購入時に住宅ローンを利用すると思います。ですが、夢のマイホームに浮かれて住宅ローンの条件を軽視してしまうと、必要以上の金利負担を強いられ、後で後悔することになります。今回の相談者のように、勤務先・年収ともに問題がなく、属性の良い場合はなおさらです。
もちろん、住宅販売会社の営業担当のなかには、好条件の住宅ローンの情報を教えてくれる人もいるため一概にはいえませんが、その条件が良いのか悪いのかは、インターネットで調べてみればすぐに判断がつくはずです。
金利が高い場合、借換は有力な選択肢になりますが、残りの返済期間が短いとメリットは大きくありません。むしろ、借換にかかる諸費用でマイナスとなってしまうこともあり得るため注意が必要です。
借換を検討すべき基準は、「金利2%前後」「住宅ローン残債1,000万円以上」「返済期間が15~25年前後」というところでしょうか。金利1%台であっても、ローン残債が多かったり返済期間が長かったりすれば、借換でメリットを得られる場合があります。
諸費用も考慮した上で少しでも返済総額を減らせる見込みがあれば、借換という選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。