中国国家統計局が発表した物価統計により、中国では実質的にデフレ状態にあることが明らかになりました。その背景にあるものとは? みていきましょう。

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消費者物価指数はほぼ横ばい。実質的なデフレ水準

2023年5月11日、中国国家統計局が発表した物価統計によると、消費者物価指数は前年同月比0.1%上昇に留まりました。これは3月の0.7%、2月の1.0%を下回る数字で、中国の物価がほぼ横ばいとなっていることを示します。

 

2023年4月の消費者物価指数上昇率は、アメリカで4.9%、東京(日本全国のデータはまだ未発表)で3.5%と各国でインフレが継続しているなか、中国の物価だけが異なる動きを見せています。

 

工場出荷時の価格を示す生産者物価指数も3.6%下落し、直近3年間で最大のマイナスを記録。7ヵ月連続で下落しており、物価下落が一時的な停滞ではないという見方が広がりつつあります。

ゼロコロナ政策による経済回復の出遅れが尾を引く

他国が新型コロナウイルス感染拡大防止のための制限を緩和していくなか、ゼロコロナ政策を堅持してきた中国。ロックダウンや企業の操業停止などドラスティックな手段も厭わなかったことで、経済回復が遅れていました。その遅れを取り戻そうと、昨年は世界的な利上げトレンドのなかで3度の利下げを敢行するなど、経済回復に向けて手を打ったわけですが、完全に復調する前に再び経済が停滞しはじめた格好です。

 

こうした状況から、中国政府は景気刺激策としてさらなる利下げを行うのではという見方が強まっています。一方で、利下げは人民元の価値低下や、より金利の高い国への資金流出につながるリスクもあります。世界経済にも大きな影響を及ぼしうる中国マーケットの浮沈。今後の行く末に注目です。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。