超低金利が続くなか、「リスク分散のための新たな投資先」として注目されているのが「ソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)」です。今回は、「ソーシャルレンディング」の特徴やメリット・デメリットについて、詳しくみていきましょう。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
「ソーシャルレンディング」が注目されているワケ…魅力は「銀行預金よりも高い金利」? (※写真はイメージです/PIXTA)

預金以上株式未満……ソーシャルレンディングとは

「ソーシャルレンディング」は、「融資型クラウドファンディング」とも呼ばれます
※ 「クラウドファンディング」は「群衆(Crowd)」と「資金調達(Funding)」を組み合わせた造語です。

 

ソーシャルレンディングの運営事業者は、インターネットを通じて個人を中心とした不特定多数の人から広く資金を集め、資金を必要とする企業や事業に融資します。企業は返済期限に利息を付けて事業者に借入金を返済するとともに、事業者は手数料(スプレッド金利)を差し引いたうえで、投資家に元本と利息を分配するというのが基本的な仕組みです。

 

インターネットやスマートフォンの普及に伴い、近年、ネット上で手軽に投資ができるソーシャルレンディング市場は拡大を続けています。コロナ禍で高まった投資熱も後押ししています。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ソーシャルレンディングの特徴の1つが、投資家がPCやスマホから簡単に投資ができることです。ソーシャルレンディング運営会社への会員登録も、基本的に運営会社のWebサイトで申し込みが完了します。

 

通常、1口1万円程度の少額から投資が可能で、年率3~6%程度の高利回りが人気の理由です。銀行の定期預金や国債に比べ利回りがよいうえ、株式投資よりも投資をはじめるハードルが低いため、個人を中心に幅広い投資家から新たな資産運用手段として注目が高まっています。

 

一方で、投資利回りが高いため、リスクも大きいのではという不安を抱く投資家も少なくありません。実際、ソーシャルレンディングは元本保証がなく、融資した先の企業がデフォルト(債務不履行)を起こすなどして、資産が返ってこないケースも発生しています。

「信頼できる業者」と「怪しい業者」それぞれの特徴について

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

ソーシャルレンディングで投資を行う際に、リスクを極力低減するために最も重要なのがソーシャルレンディングの運営事業者選びです。事業者は基本的に金融庁の監督のもとに適切に運営していますが、一部に不適切な運用を行う事業者が存在するのも事実です。なかには悪質な業者もいます。そうしたリスクの高い業者と取引をすると、トラブルや損失を被る可能性が高くなりますから注意が必要です。

 

そこで、ここでは「信頼できる事業者」と「怪しい事業者」を見分けるポイントをみていきましょう。

 

「信頼できる事業者」を見分ける際に大事な点は、第二種金融商品取引業に登録しているかどうかです。ソーシャルレンディングでは、投資家に対してファンドとなる匿名組合を組成し、その出資持分の募集を行いますから、ビジネスを行ううえで第二種金融取引業の登録は不可欠です。

 

登録していない事業者は要注意です。第二種金融商品取引業の登録がされていない事業者は、法令違反を犯している可能性が高いと考えられます。ファンド運営上のリスク管理などがきちんと行われていない可能性も高いです。過去には詐欺まがいの商法で投資家から資金を集めていたケースもあります。

 

第二種金融取取引業の登録が行われていれば絶対に安心というわけではありませんが(実際に過去に不祥事を起こしている)、登録していない事業者のファンドへ出資することは基本的にはおすすめできません。