◆コンサルタント
コンサルタントは、クライアントの悩みの相談を受けて適切な回答を提示する仕事です。「経営コンサルタント」や「キャリアコンサルタント」といった職業があります。
コンサルタントは、クライアントの悩みの内容が漠然としていることも少なくありません。その場合、悩みの明確化から相談に乗る場合があります。そのため、高度な論理的思考力、問題点を察知する能力、クライアントのおかれた状態に即した解決策を組み立てる能力が必要です。
また、クライアントの気持ちや思考に深く入り込む必要があり、人間的に信頼してもらえないと仕事になりません。
そのような高度な察知能力と問題解決能力、コミュニケーション能力をAIが備えるのは困難なので、AIが進化・発展してもコンサルタントの仕事はなくならないと考えられます。
◆教員・保育士
教員や保育士は、未来ある学生や子供にさまざまなことを教える仕事です。教育において重要なことは、生徒の信頼を得ることです。多くの知識を知っていることも大切ですが、人生における悩みや苦しみについて適切にサポートし、温かい心で寄り添ってくれる教員や保育士は、きわめて重要な存在です。
AIツールを駆使して授業を実施することで、減っている仕事も部分的にはあるかもしれませんが、それ以上に生きていくことに悩む若者や子供も増えています。信頼できる教師や保育士の仕事がなくなることは考えにくいです。
◆アーティスト・クリエイター
アーティストやクリエイターは、AIが持つことのできない創造力が必要な職業です。2022年9月に、AI作品が絵画コンテストで優勝したという報道がなされ、世の中に衝撃が走りました。しかし、AIに指示を与えたのは作家であり、作家自身の手で描き足しもし、完成までに80時間以上を要したとのことです。人間の指図・操作なくして、人々を感動させることができる美術品や音楽をAIが創り出すことはできません。
また、音楽においても同様です。音楽においてはAIを活用した作曲ツールなどがあり、作曲家の仕事をサポートしてくれています。しかし、新しい詞やメロディーなどは、優れたアーティストやクリエイターによって生み出されるものです。
AIがどれほど進化・発展しても、アーティストやクリエイターの仕事がなくなることはないと考えられます。
◆データサイエンティスト
データサイエンティストは、データを分析してビジネスに活用する職業です。AIに指令を与え、使いこなす側です。
つまり、データサイエンティストがいなければAIの高度なデータ収集・抽出能力も意味をなさないということです。AIが進化・発展すればするほど、AIを使いこなす側であるデータサイエンティストのような職業が必要になってくるのです。
まとめ
かつてはAIの導入によって、人間の仕事がすべて奪われてしまうといわれていました。しかし、AIの研究が進み、人間にしかできない仕事の特徴がはっきりしてきました。
人間には感情があり、創造力や想像力があります。
人間が持つこうした特徴を活用することが求められる職業は、AIが進化・発展しても簡単にはなくならないと考えられます。今後、AIの進化・発展によって利便性が向上していくにしたがって、AIをいかに上手に活用していくのかという視点を持って仕事に臨むことが重要です。