AIが進化・発展してもなくならないと考えられる仕事や資格
それでは、AIが進化・発展してもなくならないと考えられる仕事や資格とについて、それぞれの特徴や理由を解説します。
◆営業職
営業職は、顧客のニーズを引き出すため、緊密なコミュニケーションが必要な仕事です。特に、顧客自身が真のニーズに気づいていない場合には、それを顕在化させるために高度な思考力とコミュニケーション能力が必要です。
場合によっては、顧客の表情を瞬時に判断しながら、「ここでもう一押ししよう」とか「いったん引いて様子を見よう」などを決断しなければならないこともあります。
こうした臨機応変な対応はAIには困難であるため、AIが進化・発展しても、営業職は完全にはなくならない仕事だと言えるのです。
ただし、同じ営業でも、顧客のニーズが明らかなで誰が対応しても同じ場合であれば、AIに簡単に取って代わられます。たとえば、複数の商品・サービスをあらかじめ決められた基準によって比較し、ベストと判断されるものを選んですすめるような営業です。
なお、チャットボットのように営業職をサポートする営業ツールはAIの進化・発展によりとても便利になっています。営業職がどのようにAIを使いこなす必要があるのかは重要なポイントです。
◆医師・看護師
医療用ロボットなどの開発・進化によって、医師の仕事をAIで代用できる場合もあります。
しかし、AIは独力で新たな医療知識や医療技術を獲得することができません。それらをAIに与えることは医師にしかできません。
また、医師や看護師の仕事は、患者に寄り添って緊密なコミュニケーションに基づいて病気や手術の不安を取り除くというものです。このような仕事はAIでは代替できません。
多くの患者は身体だけでなく気持ちも弱っています。そうした人々に寄り添って安心して治療を受けてもらうためには、患者の気持ちを理解することができる医師や看護師の存在が不可欠なのです。
◆介護職
日本では高齢化の進展が著しく、AIを活用して介護をサポートするツールがたくさん登場しています。
しかし、要介護者との緊密なコミュニケーションが求められる介護職は、AIが進化・発展してもなくならない仕事と言うことができます。
すなわち、心の通う介護は人間にしかできません。介護職は、AIを活用した介護ツールを上手に活用して、顧客に喜んでもらえる介護サービスを提供することが重要です。したがって、AIの進化によって、介護職がなくなることは考えにくいといえます。
◆カウンセラー
カウンセラーは相手の相談に乗る職業です。「心理カウンセラー」や「キャリアカウンセラー」などの職業があります。これも、AIが進化・発展してもなくならないと考えられます。
なぜなら、相談相手の話し方や表情を観察しながら適切な助言を行うことは、AIには困難だからです。
たとえば、相手の心理状態や健康状態などによって、「正しい助言であっても今は言わないほうがよい」といった臨機応変な判断は人間にしかできないことです。