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仮想通貨(暗号資産)は次々と新しい銘柄が発行され、マイナーな銘柄も含めると膨大な種類があります。初めて仮想通貨取引を始める人のなかには「どの銘柄を選んだらいいかわからない」という人もいるかもしれません。
そこで、銘柄選びの指標となるのが「時価総額」です。この記事では、時価総額の説明とともに、仮想通貨の時価総額ランキングも紹介するので、銘柄選びの参考にしてください。
1. 仮想通貨の時価総額とは
仮想通貨の時価総額とは「仮想通貨の価格×発行済枚数」によって算出されるもので、銘柄の規模を示すものです。
時価総額が大きい銘柄ほど仮想通貨市場に与える影響も大きくなるため、仮想通貨の取引を行ううえで時価総額は重要なポイントとなります。
また、仮想通貨の価格は24時間365日絶えず変動しているため、時価総額も常に変動していることも特徴です。
2. 仮想通貨の時価総額ランキング
2022年7月12日時点での仮想通貨の時価総額ランキングは、以下の通りです。
順位 |
銘柄 |
時価総額 |
1位 |
ビットコイン(BTC) |
¥52,506,637,879,947 |
2位 |
イーサリアム(ETH) |
¥18,193,912,679,398 |
3位 |
テザー(USDT) |
¥9,055,419,282,101 |
4位 |
USDコイン(USDC) |
¥7,628,856,919,949 |
5位 |
BNB(BNB) |
¥5,061,887,361,539 |
(出典:CoinMarketCap)
1位のビットコイン(BTC)は時価総額が約52兆円もあり、2位のイーサリアム(ETH)と大きな差があります。
仮想通貨の時価総額は常に変動していますが、仮想通貨取引所や仮想通貨の情報サイトなどで簡単に確認できます。仮想通貨の取引を行う際は、時価総額も確認しながら取引するようにしましょう。
3. 時価総額が重視される2つの理由
仮想通貨の取引で時価総額が重視される理由に、「流動性の高さ」と「比較的価格が安定していること」の2つがあります。
3.1. 流動性の高さ
仮想通貨の時価総額の大きさは、流動性の高さにもつながります。発行済枚数が多く、時価総額の大きい銘柄は、市場における取引参加者が多くなるためです。
では、流動性が高いと投資家にどのようなメリットがあるのでしょうか?
流動性が高いということは「買いたいときに買えて、売りたいときに売れる」ということです。たとえば「保有しているコインを売却したい」と思っても、市場で買いたい人がいなければ取引は成立しません。一方、取引参加者が多い銘柄なら、すぐに買い手がつく可能性が高いです。
取引の参加者が多く、流動性が高い銘柄では「取引の相手方がいなくて売買が成立しない」ということが起きにくいのです。
3.2. 比較的価格が安定している
時価総額が大きい仮想通貨の銘柄は、比較的価格が安定しています。
仮想通貨では開発者が発行上限枚数を設定できるため、発行枚数を多くすれば時価総額を引き上げることも不可能ではありません。そのためには、価格の上昇が必要です。
たとえば、Aコインを100万枚発行したとします。Aコインの価格が1円とすると時価総額は100万円です。もし価格が100円まで上昇すれば、時価総額は1億円となります。
つまり、時価総額の大きさを保つためには発行枚数だけでなく、価格の上昇も欠かせないということです。したがって、時価総額の大きい銘柄はある程度の価格がついているコインであり、マイナーな銘柄に比べると比較的価格が安定している傾向があります。
しかし、仮想通貨の価格変動は株式や為替に比べると大きいです。「時価総額の大きいコインだから大丈夫」と安心するのではなく、市場の急変によって大きく価格が変動するリスクも十分に理解しておきましょう。
4. 仮想通貨銘柄を選ぶ3つのポイント
仮想通貨銘柄を選ぶ際のポイントとして「プロジェクトへの期待」「国内取引所での取り扱い」「時価総額の大きさ」の3つが挙げられます。
4.1. プロジェクトへの期待
仮想通貨にはそれぞれ発行の目的があります。たとえば、ビットコイン(BTC)は決済手段の利便性を向上させる目的として発行されました。その他にも、イーサリアム(ETH)では「スマートコントラクト」と呼ばれる機能を備えていることが特徴です。
スマートコントラクトとは、取引における契約を自動化する仕組みのことです。人間が介在しない取引プロセスの自動化がブロックチェーンと相性がよいことから、近年注目されています。
このように仮想通貨の銘柄を選ぶ際は、コインが発行された目的・プロジェクトに注目するようにしてください。「このプロジェクトは期待できそうだ」と感じられたら、より投資の楽しみも大きくなるでしょう。
仮想通貨の銘柄が予定しているプロジェクトは、公式サイトの「ホワイトペーパー」にて確認が可能です。その際は「プロジェクトが予定通り進められているか」という点も確認しましょう。なかには、SNSの公式アカウントでプロジェクトの進捗を報告している銘柄もあります。
また、銘柄を選ぶときだけでなく、実際に投資を始めたあとも銘柄に関する情報をチェックしながらプロジェクトの進捗を確認することが大切です。
4.2. 国内取引所で取り扱っているか
仮想通貨の銘柄を選ぶときは「国内の仮想通貨取引所で取り扱っているか」という点も確認してください。仮想通貨は海外取引所で取引することも可能ですが、日本の金融庁の管轄外となるため、思わぬトラブルや詐欺に巻き込まれてしまう可能性があるからです。
したがって、仮想通貨取引を行う際は、金融庁から認可を受けている国内取引所で取引することが大切です。2022年8月時点で金融庁に登録されている国内取引所は31社となっており、金融庁が公開している「暗号資産交換業者登録一覧」では、各社が取り扱っている銘柄についても一覧で確認できます。
仮想通貨の銘柄を選ぶ際は、この31社で取引ができる銘柄のなかから選ぶようにしてください。
4.3. 時価総額の大きさ
仮想通貨を選ぶ3つ目のポイントは「時価総額の大きさ」です。本記事で解説してきた通り、仮想通貨市場における時価総額の大きさは大切なポイントです。
時価総額の大きい銘柄は流動性が高いだけでなく、価格が比較的安定している特徴があります。初めて仮想通貨で取引を行う人にとって「売買が成立しやすい」「価格の変動がそれほど大きくない」という点は、安心感にもつながります。
ただし、仮想通貨では時価総額が大きい銘柄であっても、市場の急変によって大きく価格が変動することもあります。時価総額1位のビットコイン(BTC)についても「1日で価格が急落した」というニュースを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
時価総額が大きい銘柄は、あくまで「価格の変動が比較的安定している」という理解にとどめ、場合によっては大きな価格変動が伴うリスクを理解しておくことが大切です。
5. まとめ
この記事では、仮想通貨(暗号資産)の時価総額について解説しました。時価総額は仮想通貨の規模を示すものであり、取引を行う際の重要な指標のひとつです。
時価総額が大きい銘柄は流動性が高く、比較的価格が安定しています。プロジェクトへの期待感や国内取引所での取り扱いなど、他のポイントと合わせて銘柄を選定するヒントにしてください。