仮想通貨投資は大きな利益を見込める一方で、取り返しのつかない損失を被る可能性があります。しかし、ステーキングを利用すれば、仮想通貨を持っているだけで利益を生み出すことが可能です。本記事では、ステーキングのすべてを徹底的に解説していきます。
仮想通貨のステーキングとは?仕組みやリスクをわかりやすく解説 (※画像はイメージです/PIXTA)

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仮想通貨(暗号資産)の売買で稼ぐのは決して楽ではありません。なぜなら、情報収集に時間と労力を要するうえ、価格変動が激しく大きな損失を受ける可能性もあるからです。一方、ステーキングという方法で運用すると、仮想通貨を持っているだけで稼ぐことができます。

 

本記事では、損失の危険性を抑えつつ利益を生み出し、売買する手間もかからない「ステーキング」について、詳説します。

1.【図でわかりやすく解説】仮想通貨のステーキングとは
1.1. PoWとは
1.2. PoSとは
2. ステーキングをする3つのメリット
2.1. 保有しているだけで報酬が得られる
2.2. 銀行より、利率・利回りがよい
2.3. 仮想通貨をローリスクで運用できる
3. ステーキングをする3つのデメリットとリスク
3.1. ステーキングしている仮想通貨は動かせない
3.2. ステーキング中の価格変動で価値が下がる可能性がある
3.3. 短期的に得られる利益は高くない
4. ステーキングに最適な仮想通貨銘柄の選び方
4.1. 利回りの高い銘柄
4.2. 取引所でステーキング対象になっている銘柄
4.3. 長期保有に適した将来性のある銘柄
5. ステーキングにおすすめの仮想通貨銘柄
5.1. イーサリアム(ETH)
5.2. テゾス(XTZ)
5.3. シンボル(XYM)
6. ステーキングができるおすすめの取引所
6.1. GMOコイン
6.2. BINANCE
7. ステーキングはこんな人におすすめ!
7.1. 仮想通貨を長期的に保有する予定の人
7.2. 低リスクかつ高利率で安定的に利益を得たい人
8. 仮想通貨ステーキングのやり方
8.1. ステーキング可能な銘柄のある取引所に口座開設する
8.2. ステーキング対象の仮想通貨を購入する
8.3. 取引所を通さず自身でステーキングする
9. 仮想通貨ステーキングに関するQ&A
Q1. ステーキングの利回りを一覧で確認する方法はある?
Q2. ステーキングで得た利益に税金はかかる?
Q3. ポーカーのステーキングとは別物?
10. まとめ

1.【図でわかりやすく解説】仮想通貨のステーキングとは

 

ステーキングとは、ブロックチェーンの適正な稼働のために自分が持っている通貨を提供し、見返りとして報酬を得るメカニズムを指します。

 

※ブロックチェーン:ユーザーがそれぞれブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、それを鎖(チェーン)のように連結してデータを保管する技術

 

1.1. PoWとは

 

ステーキングを始める前に知っておくべき用語として、「Proof of Work(PoW)」があります。

 

これは、古株の仮想通貨に搭載されたシステムです。膨大な計算処理を行い、特定の数字を見つけ出したPCだけが、ブロックチェーン上での記録作業を許可され、報酬を得られる仕組みになっています。ただ、膨大な消費電力を要するほか、処理できる取引数も少ないという欠点が存在します。

 

1.2. PoSとは

PoWよりも新しいシステムに「Proof of Stake(PoS)」があります。

 

これは、取引を記録する者が最初に一定の金額を担保(ステーク)し、問題なく記録できれば報酬を獲得できるという構造です。無駄な計算工程がなく、電力の消費が抑えられるなどのメリットがあるため、PoSはPoWに替わる合意形成システムとして注目されているのです。

2. ステーキングをする3つのメリット

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ここからは、ステーキングの魅力を3つピックアップして紹介します。

 

最低限の知識ともいえる内容ですので、これからステーキングを賢く利用していくためにも必ず身につけておきたいところです。

 

2.1. 保有しているだけで報酬が得られる

たとえば、仮想通貨の売買で稼ぎ続けるためには、多少の損失にも耐えられるメンタルが求められ、精神的ダメージが大きいです。一方、ステーキングであれば、仮想通貨を持っているだけで対価を受け取れます。よって、忙しい人でも、損切りできない人でも、安定して資産を増やせる機会が得られるのです。

 

2.2. 銀行より、利率・利回りがよい

銀行の金利は普通預金で0.001%です(2022年5月現在)。ですが、日本の取引所のGMOコインでステーキングを行う場合、2.1%〜4.5%の年率で報酬が受け取れます。

 

たとえば、年率4%で100万円分を10年間運用できた場合、約40万円近くのプラスになります。当然、市場相場の上下による影響を受けますが、魅力的な利回りに違いありません。

 

2.3. 仮想通貨をローリスクで運用できる

仮想通貨の売買で稼いでいく場合、タイミング次第で大きな損失を被る可能性も十分にあります。つまり、知識と経験が十分備わっていなければ痛い目にあうような危険性の高い投資です。ステーキングによる運用だと、資産を失う恐れを抑えながら資産を増やせる運用方法なのです。

3. ステーキングをする3つのデメリットとリスク

(※画像はイメージです/PIXTA)
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ここからはステーキングを始めるうえで知っておくべき負の側面を記述していきます。

 

魅力的な利点を有するステーキングではありますが、なんの危険性も伴わずに利用できるものではありません。難点がある現実を理解し、負担を最小限に抑える対策をとりましょう。

 

3.1. ステーキングしている仮想通貨は動かせない

まず知っておくべきは、ステーキングに預ける通貨は一定期間、動かせないという制限についてです。

 

自分の資産といえども、そもそも報酬をもらうための担保に供している通貨であるため、こちらの都合で勝手に売買したり、出し入れしたりできません。もちろん、ステーキングを終えると、縛りはなくなるのですが、短絡的な視点で考えないように気を付けましょう。

 

3.2. ステーキング中の価格変動で価値が下がる可能性がある

また、ステーキング中においても、仮想通貨は価格変動の影響を受けます。ボラティリティの激しい通貨は売買するタイミングが重要です。実際、ステーキングの対象通貨であっても価格が半値以下に下落している期間は存在しています。デイトレードのように短いスパンで運用していくスタイルであれば、ステーキングは控えておくのが賢明です。

 

※ボラティリティ…価格の変動率

 

3.3. 短期的に得られる利益は高くない

ステーキングは時間をかけて安定した利益を稼ぐ手法です。短期的に得られる利益は高くありません。

 

よって、一攫千金を視野に入れて資産を動かしたい方は、ステーキングに不向きです。ただし、銀行に預けるよりははるかに高い利益を狙えるのも事実なので、自身の運用目的を再度明確にしたうえで、適切な運用方法を選択しましょう。

4. ステーキングに最適な仮想通貨銘柄の選び方

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ステーキングをスタートするにあたっては、注意すべき点があります。それは、最適な通貨選びです。

 

これから、通貨選びの3つのポイントを詳説していきます。どの通貨を選択するかによって、確保できる利益にも大きく影響するので、慎重に検討しましょう。

 

4.1. 利回りの高い銘柄

1つ目は、できるだけ利回りの高い銘柄を選ぶことです。

 

同じ数量であっても、通貨の種類によって利回りが異なるため、得られる利益も当然変わってきます。特に、長期的に運用する予定であれば、利回りによる利益の差はかなり大きくなるので、利率は最優先に考慮しましょう。

 

4.2. 取引所でステーキング対象になっている銘柄

2つ目は、取引所でステーキング可能な銘柄を選択することです。

 

通貨の公式サイトからステーキングすることも可能ですが、英語で手続きするためハードルが高いです。初めは、取引所でステーキングできる銘柄を選ぶことがおすすめです。

 

ステーキングに対応している国内取引所は、Coincheck(コインチェック)GMOコイン、OKCOIN JAPAN(オーケーコインジャパン)です。ただし、Coincheckはステーキングサービスを停止しているので注意してください(2022年6月現在)。

 

4.3. 長期保有に適した将来性のある銘柄

3つ目は、将来性のある通貨を選択するのも、ステーキングを始めるうえで大切なポイントです。

 

ステーキングは短い時間での利益が見込めない反面、コツコツ運用すれば大きな利益を獲得できるチャンスがあります。利益が利益を生む複利の力を最大限に生かすためには、長い目で見たときに価値が下がらないような伸びしろのある通貨を選びましょう。

5. ステーキングにおすすめの仮想通貨銘柄

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

5.1. イーサリアム(ETH)

最初におすすめする通貨はイーサリアムです。

 

イーサリアムは時価総額でビットコインに継ぐ2位の地位をキープしており、知名度も高いので安定感は抜群です。これからさらなる開発も進められる予定なので、今後の需要拡大にも十分期待できます。長期的な運用が前提となるステーキングに向いている仮想通貨です。

 

5.2. テゾス(XTZ)

テゾスは比較的知名度の高い通貨であり、時価総額は2,000億円を超え、全体で39位となっています(2022年5月現在)。

 

テゾスはPoSをベースに、分散性を確保できる「LPoS(Liquid Proof of Stake)」を採用しているのが特徴です。LPoSは、通貨保有量が少ないユーザーでも、ブロックチェーン上で取引を承認する作業に参加できます。

 

5.3. シンボル(XYM)

シンボルはネムをベースにして、主に企業向けに開発された通貨です。2021年に誕生したばかりの新しい通貨ですが、すでに、シンボルを使ったサービスが開発され、注目を集めています。報酬年率も比較的高く設定されているので、選択肢として候補に挙げておくべき通貨の一つです。

6. ステーキングができるおすすめの取引所

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ステーキングに対応している取引所は国内外を合わせると多数存在します。

 

ただ、取引所によって、対象となる銘柄や数量が違うので、取引所選びは重要です。まずは、それぞれの特徴をしっかりと把握しましょう。

 

6.1. GMOコイン

GMOコインはステーキングに対応している国内の大手取引所です。

 

対象となる銘柄はテゾス(XTZ)・シンボル(XYM)の2種類となっています(2022年5月現在)

 

なお、1年間の利回りは以下の通りです。

 

  • テゾス(XTZ):2.1〜4.3%
  • シンボル(XYM):3.2〜4.5%

 

また、GMOコインを利用すると、通貨を買うだけでステーキングを始められ、余計な手間を必要としないので、初心者や忙しい方に適しています。

 

>>GMOコインの公式サイトへ(ステーキング)

 

6.2. BINANCE

世界最大級の規模を誇るBINANCE(バイナンス)でも、ステーキングが可能です。

 

BINANCEでは、以下の4種類から運用方法を選択できます。

 

  1. 定期ステーキング
  2. DeFiステーキング
  3. フレキシブルステーキング
  4. ETH2.0ステーキング

 

それぞれの特徴と自分の運用方針を照らし合わせながら、適切な方法を選びましょう。なお、定期ステーキングが最も幅広く、110種類の通貨に対応しています(2022年5月現在)。

 

>>BINANCEの公式サイトへ

 

7. ステーキングはこんな人におすすめ!

(※画像はイメージです/PIXTA)
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ステーキングには仮想通貨の売買とは違った特徴があり、人によっては向き不向きがあります。これから、ステーキングに適した人の例を紹介していくので、参考にしてみてください。

 

7.1. 仮想通貨を長期的に保有する予定の人

ステーキングは長期的な通貨の保有を前提に、コツコツと運用していく手法です。

 

条件によっては、しばらくのあいだ、自分の資産であるにもかかわらず自由に動かせない可能性もあります。短期売買のために通貨を保有する場合には適しません。

 

7.2. 低リスクかつ高利率で安定的に利益を得たい人

仮想通貨はハイリスクハイリターンの投資が特徴ですが、大きな損失を被る可能性があることに抵抗を感じる方も多いでしょう。

 

しかし、ステーキングを利用すれば、資産を保有したまま収益の獲得を狙えます。よって、リスクヘッジを考慮しながら、かつ着実に成果を積み重ねたい方は、積極的にチャレンジしてみてはどうでしょうか。

8. 仮想通貨ステーキングのやり方

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

次に、ステーキングの具体的な始め方を紹介していきます。

 

とはいっても、手続き自体は難しくありません。誰でも始めることができるので、ぜひ参考にしてください。

 

8.1. ステーキング可能な銘柄のある取引所に口座開設する

まず、大前提として、ステーキングのサービスを提供している仮想通貨取引所に口座を開設しましょう。手続き自体は、メールアドレスや個人情報を入力し、本人確認書類を提出すれば、あとは審査結果を待つだけの流れになります。画面の指示に従うだけで簡単に終わるので心配無用です。

 

8.2. ステーキング対象の仮想通貨を購入する

次に、各取引所においてステーキング可能な通貨を買いましょう。

 

ステーキングが始まるまでのステップはさまざまです。条件をさらに細かく指定したり、通貨を購入した時点でスタートしたりするなど、取引所によってルールがあるので、事前の確認が必要です。また、ステーキングできる通貨の種類については、拡大や縮小の可能性もゼロではないので、日ごろから注視しておきましょう。

 

8.3. 取引所を通さず自身でステーキングする

取引所に頼らずに、自分で直接ステーキングを行う方法もあります。

 

基本的には、仮想通貨ウォレットを作成し、該当する通貨の公式サイトで利用手続きを踏まなければなりません。しかし、英語のリーディングスキルも必要なので、ハードルは高めです。取引所のサービスを利用したほうが簡単に、かつ安心してステーキングを行えます。

9. 仮想通貨ステーキングに関するQ&A

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

ステーキングは通貨の売買と比較するとまだまだ普及していません。よって、さまざまな疑問が生じてくるのも必然のことでしょう。ここからは、ステーキングについてのよくある質問に答えていきますので、ぜひ参考にしてください。

 

Q1. ステーキングの利回りを一覧で確認する方法はある?

利回り一覧は、こちらの『Coinranking』のサイトで見ることができます。

 

利回りはステーキングする通貨を選ぶための大きな判断基準になります。利回りは常に変動し続けているので、過去の動向を含めて欠かさずチェックしましょう。

 

Q2. ステーキングで得た利益に税金はかかる?

ステーキングによって生じた利益は所得税の「雑所得」に該当し、課税対象となります。これは、仮想通貨売買による利益への課税と変わりません。なお、課税されるタイミングに報酬の算出期間は無関係です。たとえば、今年からステーキングを始めたとしても、報酬を受け取るのが来年であれば、来年分の所得として計算されます。

 

Q3. ポーカーのステーキングとは別物?

トランプゲームのポーカーには、1人または複数人がゲームプレイヤーに資金を出し合い、プレイヤーが勝利した場合は、出資分の見返りを受け取るシステムがあります。通貨を担保に供した分だけ報酬をもらえるという仮想通貨におけるステーキングとよく似た考え方です。

10. まとめ

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

この記事では、ステーキングについての基礎的な知識を詳しく説明しました。

 

手間をかけずに、危険を冒すことなく利益を生み出せるのがステーキング最大の魅力です。ステーキングは長期運用によって複利の効果が発揮されるので、早く始めたほうが大きな利益を生み出す可能性が高まります。

 

長期運用を目標に、まずは少額からステーキングを始めてみましょう。