米国・建築資材価格…ロシア・ウクライナ侵攻でさらなる上昇か? (※画像はイメージです/PIXTA)

建築資材の価格上昇が続いているアメリカ。そんな状況下で、ロシアによるウクライナ侵攻が起きました。地域の危機は、アメリカの建築資材の価格にどのような影響を与えるのでしょうか。みていきましょう。

アメリカにおける建築資材の流通が危機的状況に?

2021年のウッドショック(木材価格の高騰)も記憶に新しいところですが、アメリカにおける建築資材の流通が今、危機的状況に置かれています。その大きな原因はコロナ禍によるサプライチェーンの混乱と急速に進むインフレ。

 

2020年から2021年にかけて、新型コロナウイルス感染拡大の影響で各種産業が操業停止状態に追い込まれ、建築資材の生産や輸送が停滞。現在、その立て直しが急ピッチで行われていますが、それを上回るスピードで建設需要が加速しており、慢性的な建築資材不足に悩まされている状況です。

 

加えて、経済面における急速なインフレが原材料費や人件費を高騰させており、その影響で建築資材の価格も上昇しています。資材そのものがなかなか手に入らず、手に入ったとしても非常に高価であるため、建設業者や施主の負担が大きくなっている状況ですが、2022年2月末からのロシアによるウクライナ侵攻がそうした状況にさらに追い打ちをかけています。

高騰するアルミニウムと銅の価格

ウクライナ侵攻によって、各国政府や企業がロシアに対して厳しい制裁措置を行い、ロシアは国際経済から締め出されつつありますが、その影響で世界的に価格が高騰している資源等もあります。

 

代表的なものとしては、ガスや石油をはじめとする燃料類、そしてアルミニウムや銅といった資源です。本格的な侵攻が始まる前の1月時点ですでに、アルミニウムは33%、銅は25%の価格高騰が見られていました。

 

2021年のロシアのアルミニウム生産量は、中国、インドに次いで世界第3位。銅については世界第8位となっており、これら資源の上位生産国であるロシアからの供給がストップすることで、今後さらなる価格高騰が進むことは間違いなさそうです。

アルミニウム・銅の不足による建築資材への影響

アルミニウムや銅は、さまざまな建物を建造する上でも非常に重要な資源です。

 

アルミニウムはサッシやカーテンレールなどに使用されることが多いほか、近年では柱や梁といった住宅骨子への利用も進んでいます。また銅は冷暖房設備や配管などに利用されており、こちらも現代の建設物に欠かせない資源となっています。アルミニウムや銅の不足と価格高騰は、建築資材のさらなる価格上昇にも今後つながるでしょう。

 

その他の資材価格や人件費もインフレによって高騰している現在、建設コストは統計が始まった1987年以来、最大の上昇率を記録しているといいます。米国労働統計局による生産者物価指数の分析によると、非住宅の建設コストは過去1年間で平均24%以上も上昇しているとのこと。

 

仕入れコストが増大すれば、当然利益率も下がり、また資材の納入スピードが滞ることで、建設スピードもスローなものとなっていくでしょう。建築業界の苦しい状況は今後もしばらく続きそうです。

現在の状況を不動産投資家はどう考えるべきか?

では建築資材の価格高騰が発生している現在の状況を、不動産投資家はどのように捉えるべきでしょうか?

 

建設コストが上昇すれば当然、不動産価格も上昇するため、新築物件の価格は当面は高い数字をキープすることになりそうです。そして新築物件の価格が上昇すると、投資家の一部は中古物件に流れるため、結果的に不動産市場全体での価格底上げが発生することも予想できます。

 

すでに物件を保有している投資家にとっては、資産価値が上昇する局面と言えますが、一方でこれから物件の購入を検討している投資家は“高値づかみ”のリスクも考慮しなければなりません。

 

今後、ウクライナ情勢に進展が見られたとしても、ロシアに対する国際的警戒は継続する可能性が濃厚で、ロシアへの依存傾向が高い資源の価格が元値レベルに戻るまでは、まだしばらく時間がかかりそうです。

 

加えて、コロナ禍に起因するサプライチェーンの混乱やインフレといった要因もまだ根本的な解決が見られないため、不動産投資家はこれらの動向にも引き続き目を向けながら、投資リスクを総合的に判断していく必要がありそうです。

東証一部に上場しているオープンハウスでは、自社グループが一環となり、物件の見極め、融資・購入から管理まで、オープンハウスにしかできないワンストップサービスをご提供いたします。

オープンハウス主催!アメリカ不動産投資セミナーはこちら

著者紹介

連載「勝つ」ために知っておくべき「アメリカ不動産投資」の基礎知識

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。

TOPへ