新型コロナウイルス感染症の第6波懸念が広がるなか、至る所でコロナ禍からの回復が報じられています。このようななか、会社員の給与も上昇基調にのっていけるのでしょうか。厚生労働省の統計から考えていきます。
会社員の月収41万円…「7ヵ月連続プラス」も明るい見通しが立たない実情 (※写真はイメージです/PIXTA)

冬のボーナスは2年連続減…2022年、会社員の給与事情は?

コロナ禍からの回復を感じさせる一方、いまだにコロナ禍の暗い影を感じさせるニュースも。12月22日、日本経済団体連合会は大企業が支給する冬の賞与について、加重平均の妥結額は82万955円と前年比5.16%減と発表。前年比マイナスは2年連続で、金額は2013年の80万6007円以来の低い水準になりました。

 

業種別では、回復基調にある「商業」が前年比23.15%増となった一方で、減収が続く「私鉄」は前年比22.26%減と、業種間で大きな格差が生まれています。

 

そのようななか、2022年は私たちの給与は、このまま回復基調が続いていくのでしょうか。前出同調査によると、1993年以降、会社員の月収は40万円前後で推移。30年あまり、ほとんど変わっていない、というのが現状です。

 

【会社員の平均月収の推移(1993年~)】

1993年 396,218万円 /-

1995年 408,425万円 /101.25%

2000年 421,195万円 /101.04%

2005年 417,223万円 /100.76%

2010年 403,760万円 /101.19%

2015年 410,998万円 /99.57%

2016年 415,020万円 /100.98%

2017年 417,213万円 /100.53%

2018年 423,468万円 /101.50%

2019年 425,121万円 /100.39%

2020年 417,475万円 /98.20%

 

厚生労働省『毎月勤労統計調査』より作成

※調査産業計、男女計、一般労働者

※数値左:月収(現金給与総額)、数値左:前年同月比

 

この30年間で会社員の平均年収は米国では47%増、英国では44%増、フランスでは31%増、さらに大きく経済成長を遂げた韓国は92%の大幅増を記録。それに対して日本は2%増という惨状です。

 

給与があがらない要因として「労働生産性の低さ」「非正規雇用者の増加」「内部留保を貯め過ぎの企業体質」など、さまざまなことがいわれています。しかし要因とされるすべてに対して、解決へのロードマップがみえないなか、給与増など期待できるはずもなく……2022年、コロナ禍からの回復はあっても、それ以上はない、そんなどこかモヤモヤした状態が続きそうです。