伝統ある別荘地としての顔を持ちながら、ワーケーションの一大拠点になるなど、さらなる進化を遂げている軽井沢。ニューノーマルの時代に「軽井沢に別荘を持つ」ことの意味がこれまでとどう変わるのか、どのような可能性があるのか、株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢駅前別荘販売センターの藤原健太郎氏とともに検証していく。

コロナ禍なのに活況!?軽井沢の不動産事情

別荘といえば余暇を楽しむためのもの、リタイア後のセカンドライフを楽しむためのものといったイメージが根強くあった。しかしコロナ禍では「住まう場所であり、働く場所としての別荘」と捉える層が増えてきているという。軽井沢で別荘を検討する人々と日常的に接している、株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢駅前別荘販売センターの藤原健太郎氏に話を伺った。

 

株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢営業所 藤原健太郎氏
株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢駅前別荘販売センター 藤原健太郎氏

「軽井沢に別荘を購入するコアターゲットは、50〜60代の会社経営者や重役クラスといった富裕層が中心です。ライフスタイルとしては、完全にリタイアされていたり、現役でも月に数回ほど東京に出向けばよいという人が多数派でした。

 

しかしリモートワークの普及で多くの人が週5出勤が必須とは言えなくなった今、東京と軽井沢の2拠点生活をスタートさせる30〜40代の方が増えています。これまでは週末を含む2〜3日しか滞在できなかったのが、4〜5日過ごせる機会が増え、しかも土日の混雑を避けての車移動ができることも大きかったようです。

 

2〜3年前から別荘の購入を検討されていた方が、『これでやっと決められる』と晴れ晴れとした表情で契約されるケースもありました。コロナ禍に背中を押された形ですね」

 

くつろぐ場所としてだけではなく、働く場所として別荘を購入しようとする場合、おすすめの地域や人気の物件はあるのだろうか?

 

「中軽井沢エリアに位置する『軽井沢千ヶ滝別荘地』がおすすめです。西武グループ創業者の堤康次郎により1918年から開発が始まり、今なお名門別荘地として名を馳せています。浅間山を望むなだらかで広大な山林を開発しているので、さわやかな陽ざしがたっぷりと降りそそぐ物件が多く、1年を通して過ごすにも適した場所が多いです。

 

軽井沢といえば、森の中に別荘が佇んでいる……というイメージをお持ちの方も多いのですが、これは主に東側の旧軽井沢です。同じ軽井沢でも千ヶ滝別荘地は、東側と比較すると湿気が少なく風の抜ける土地も多く、こちらを好まれる方も多くいらっしゃいます。特に2008年から販売を開始した『あさまテラス』では全区画に光ファイバーを導入済みなので、テレワークをする場合のネットワーク環境も良好です。広幅の道路に面している物件が多く、車での移動が多い軽井沢での生活も快適です」

 

軽井沢千ヶ滝別荘地
軽井沢千ヶ滝別荘地マップ

 

都心とは比べものにならない住み心地

1年のうち、短い休暇を過ごすためだけであれば、「別荘の購入なんて」と敷居が高いと感じる人もいるだろう。だが長期滞在や定住を視野に入れるのなら、十分に検討の余地がある。気になる価格帯はどのくらいなのだろうか。

 

「千ヶ滝別荘地では1区画の土地面積がだいたい300〜400坪で、土地のみなら2,000万円から購入可能です。加えて上物の建築費用が3,000万〜5,000万円でしょうか。すでに東京に家を所有している場合は、賃貸に出したうえで軽井沢に移住してくるお客様もいらっしゃいます。

 

東京の住まいも確保しながらの二拠点生活を希望される場合は、定期借地権を利用した購入システムを提案することも多いです。軽井沢で新規の定期借地権付きの物件を扱っているのは、今のところ当社だけなのですが、これなら土地のイニシャルコストは半額程度に抑えられます。

 

しかも権利期間は32年間で、いつでも所有権に切り替えることが可能です。将来土地の価格が上昇しても、契約時の価格をもとに所有権が手に入るというメリットもあります。都心より土地の固定資産税が安いのも特徴で、管理費、固定資産税、光熱費などを合わせたランニングコストは年間で70万~100万円程度です。東京の平均的なご家族向けマンションの維持費と、そう変わらないのではないでしょうか」

 

つまり4,000万〜7,000万円ほどの予算をみておけば、軽井沢に新築の別荘が持てるということ。この価格帯で、東京では考えられないほど広々とした敷地と自分好みの注文住宅が手に入るとなれば、住宅価格が高止まりしている東京に比べてずっとリーズナブルといえるだろう。また、別荘維持の要といえる管理やアフターケアについても、軽井沢で100年に渡る実績と経験を持つ西武グループなら安心して任せられる。

 

軽井沢千ヶ滝別荘地

 

資産価値においても「軽井沢」ブランドは健在

もともと別荘地として揺るぎないブランドバリューを持っている軽井沢は、資産価値という観点からみても盤石だ。土地価格の下落が続く地方において、2013年ごろから常に上昇し続けているという稀有な場所である。

 

「軽井沢は建築や風営施設に対する規制が厳しく、軽井沢町としては民泊や別荘地内での貸別荘は原則として認められておりません。土地の細分化や大規模な開発も規制されています。だからこそ景観と秩序が保たれ、ブランドとしての品格が保たれているといえます。実際にコロナ禍以降の1年だけをみても、一時的にインバウンド需要は減少しているものの、軽井沢全体の資産価値はほとんど下落していません。価格が上昇している地域もあり、お問合せは増加しています。

 

これからますますテレワークが当たり前の社会になっていけば、二拠点生活もしくは完全移住を前向きに考える方も増え、さらにニーズは高まってゆくでしょう」

 

第3回では、別荘地・軽井沢における最も新しい現役世代のリアルライフを、いくつかのサンプルケースをもとに紹介する。

 

取材・文/立本美弥子 撮影/上條伸彦(人物)
※本インタビューは、2021年3月16日に収録したものです。
※2022年4月1日付で、株式会社西武プロパティーズは、株式会社西武リアルティソリューションズへ商号を変更しました。