コロナ禍で働き方・住み方が変わる…別荘地「軽井沢」のいま

2020年からのコロナ禍によってリモートワークが定着し、「働く場所」、さらに勤務先に紐づく「住む場所」から多くの人が解放された。都会を離れる動きのなかで注目されているのが、東京から約1時間でアクセスできる「長野県・軽井沢」。別荘地として、観光地として、常にトップクラスの評価を得てきた軽井沢が、大きく変わろうとしている。株式会社西武プロパティーズ販売事業部でリゾート事業を担当する会沢昌之氏に話を伺った。

観光客減少でもダメージはなし…その理由は?

2020年に端を発したコロナ禍により、さまざまな価値観が歴史的ともいうべき変化を見せた。なかでも最も変わったものの一つが「場所」ではないだろうか。

 

リモートワークの広がりにより、働く場所にとらわれず、もっと自由に住む場所を選ぼうとする人が急増した。そこで注目を集めているのが、東京からのアクセスもよい「軽井沢」だ。雑誌『日経トレンディ』が発表した2021年のヒット予測でも「長野でテレワーク」がベスト10にランクインするなど、ニューノーマル時代の新たな居住地として、これまで以上に熱い視線が注がれているのだ。

 

株式会社西武プロパティーズ販売事業部リゾート事業担当 会沢昌之氏
株式会社西武プロパティーズ販売事業部 会沢昌之氏

「新型コロナウイルスの感染拡大は、軽井沢の不動産動向にも大きな影響を与えています。別荘に関していえば、土地や物件に関するお問合せは例年に比べて約3倍に増えました。数少ない賃貸物件も需要が高まっており、争奪戦の様相を呈しています」と語るのは、株式会社西武プロパティーズ販売事業部の会沢昌之氏。

 

「軽井沢は、100年以上の長きにわたり、日本有数の別荘地としてブランド力を維持してきました。自然と景観の美しさに加え、歴史、文化の面でも唯一無二の特別な別荘地として名を馳せてきたのです。

 

新型コロナウイルスの感染拡大によって、これまでの軽井沢に、快適に働く場所としての魅力が加わったと考えています」

 

コロナ禍で「居住地の考え方」に大きな変化が

新型コロナウイルスの感染拡大により、まずは「密を避ける」という観点から郊外や地方に注目が集まった。さらに複数回の緊急事態宣言発令により、多くの企業で在宅勤務が定着した。国をあげてテレワークを推奨する流れのなか、毎日出社せず、家で仕事をする人が激増したのだ。

 

しかし、この急激な変化についていけず、2020年は戸惑う家族の姿が日本中で見られた。特に都心部では、通勤のために快適な住環境よりも利便性を優先させてきたことが、テレワークの導入によって裏目に出てしまう。居住スペースにゆとりがないため、テレワークしようにも落ち着いて仕事ができる個室が確保できない世帯が多く、家族関係の悪化を招きかねない事態となった。勤務形態が一変したことで、都市生活のデメリットがあぶり出されてしまった形だ。

 

すでに「出勤は週に多くても1〜2回」「このまま定年まで、基本的にテレワークが続く予定」など、働き方がドラスティックに変化した人も多い。そんな層がコロナ禍のピンチをチャンスと考え、もっとワーク・ライフ・バランスのとれた生き方を求めて東京をはじめ、都会以外の場所に目を向け始めたのは、ごく自然な流れと言えるだろう。この流れは、政府が2020年7月から開始した「ワーケーション」の推進とも合致している。

 

「軽井沢」ときどき「東京」というライフスタイル

「ワーケーション」とは仕事(ワーク)と休暇(バケーション)を組み合わせた造語で、自然豊かなリゾート地でリフレッシュしながら気持ちよく仕事をするという新しい働き方だ。環境省がワーケーション事業を行う地方事業者に対して補助金の支援を決めるなど、国が推進しているプロジェクトでもある。

 

会沢氏によると、軽井沢はコロナ禍になる以前から町ぐるみでワーケーションに力を入れてきたのだという。

 

「2018年には地元のホテル観光協会、商工会などが連携して『軽井沢リゾートテレワーク協会』が発足しました。<標高1000mのウェルネスリゾート>を合言葉に、快適にテレワークができるコワーキングスペースや貸しオフィスの運営をサポートしています。

 

西武グループである軽井沢プリンスホテルも会員施設となっており、個人向けにリゾートワーケーションプランを売り出すだけでなく、企業誘致も積極的に行なっています。2020年の夏には、『ワーク』機能を担うMICE関連施設を新設、2021年4月には新客室棟・温泉棟が開業し、『バケーション』機能がさらに充実したことで、『リゾートワーケーション』の拠点へと進化しています。大人数での会議やセミナー、展示会などが行なえる施設を擁し、”観光だけではなく、ビジネスの拠点としての軽井沢”を前面に押し出しています」

 

急速に認知されてきたワーケーションだが、なかでも軽井沢は理想のワーケーション先として注目されている。その理由はやはり、東京から約1時間というアクセスのよさに加え、素晴らしい自然環境と文化が融合した土地柄によるものだろう。

 

軽井沢、電車でのアクセス ※※所要時間には、待ち時間・乗換え時間などは含まれません。また、シーズンや時間帯により多少異なります。
軽井沢、電車でのアクセス
※所要時間には、待ち時間・乗換え時間などは含まれない。またシーズンや時間帯により多少異なる。
軽井沢、車でのアクセス ※※夏の期間や連休中は、碓氷軽井沢I.C.~プリンス通りまで混雑が予想されます。軽井沢 千ヶ滝別荘地へは佐久I.C.又は、佐久平SICからのアクセスもスムーズですので迂回されることをおすすめいたします。
軽井沢、車でのアクセス
※夏の期間や連休中は、碓氷軽井沢I.C.~プリンス通りまで混雑が予想される。軽井沢千ヶ滝別荘地へは佐久I.C.または、佐久平SICからのアクセスもスムーズ。

 

「今や軽井沢のコワーキングスペースや貸しオフィスは20施設以上にのぼり、ワーケーションの聖地となりつつあります。モダンなカフェ風スペース、雄大な自然を肌で感じられるオープンテラス、一人で集中できる個室タイプなど、バリエーションも豊富に揃っており、その日の気分によって『今日はどこで働こうかな』と選ぶ楽しみもあります。

 

別荘やホテルに滞在しながら、こうした施設を利用して仕事に集中し、終わったら近くの温泉に直行して満点の星を眺める……そんな憧れのワーケーションスタイルが軽井沢なら可能なのです」

 

都会では見ることのできない美しい星空が、軽井沢なら日常となる
都会では見ることのできない美しい星空が、軽井沢なら日常となる
 

コロナ禍をきっかけに、さらなる発展をみせる軽井沢エリア。第2回ではニューノーマル時代に「軽井沢に別荘を持つ」ことの意義をより詳しく検証してゆく。

 

株式会社西武プロパティーズ 販売事業部

著者紹介

連載軽井沢…ニューノーマル時代の別荘の持ち方

取材・文/立本美弥子 撮影/上條伸彦(人物)
※本インタビューは、2021年3月16日に収録したものです。