過去10ヵ月、米国不動産市場は「在庫不足」傾向にありましたが、2021年が始まってからも同様の傾向が続いています。オープンハウスのウェルス・マネジメント事業部は「アメリカ不動産市場は、今後も堅調に伸び続ける」だと述べています。今回は、米国不動産市場の現状について解説します。

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2020年版「住宅価格が上昇した国ランキング」発表

世界の住宅価格指標を調査するイギリスの不動産コンサルティング企業ナイト・フランクが、2019年第4四半期から2020年第4四半期にかけての国別住宅価格上昇率を発表しました。上位10ヵ国とその上昇率は以下の通りです。

 

1位 トルコ(30.3%)
2位 ニュージーランド(18.6%)
3位 スロバキア(16.0%)
4位 ロシア(14.0%)
5位 ルクセンブルク(13.6%)
6位 ポーランド(10.9%)
7位 米国(10.4%)
8位 ペルー(10.3%)
9位 スウェーデン(10.1%)
10位 オーストリア(10.0%)
※()内は価格上昇率

 

新興国か、比較的人口の少ない国の名前が並ぶなか、アメリカが7位にランクイン。人口3億人を超える先進国でありながら、いまだ2桁成長を記録しています。

2021年に入っても「住宅在庫」の減少が続いている

現在アメリカでは、住宅在庫の減少が続いています。NAR(National Association of Realtors:全米不動産業者協会)2月末の総住宅在庫は103万戸で、前年同月の146万戸に比べて29.5%減少しました。

 

住宅在庫の減少続く(画像はイメージです/PIXTA)
住宅在庫の減少続く(画像はイメージです/PIXTA)

 

現在の販売ペースが続けば、販売在庫は2.0ヵ月で消化されるとシミュレーションされています。2021年2月に売りに出された住宅のうち74%が、1ヵ月未満で販売されており、買い手にとっては良い物件に出会うのが困難な状況と言えます。

アメリカの「住宅価格」年間上昇率は17%に…

不動産仲介を行うRedfin社によると、米国の住宅販売価格の中央値は前年比17%増の330,250ドルとなりました。これは過去最高の価格水準で、増加率の観点でもRedfinがデータを取得しはじめた2016年以来最大の記録です。

 

売り出し価格と、実際の売却額がどれだけ離れているかを示す平均販売価格比は、前年同期比1.8ポイント増の100.0%となり、こちらも過去最高を記録しました。これは、市場全体を平均すると、売り手の希望通りの価格で販売が成立していることを意味します。この数字が100%を越えたのは、2016年以来初めてのことです。

 

RedfinのチーフエコノミストであるDaryl Fairweather氏は、「(入札競争の加熱により、)一部の買い手は非合理的な行動をとっています」と述べています。その一方で「私は今の状況を住宅バブルとは呼びません。なぜなら、住宅に対する需要は本当にあり、購入者には支払い能力があるからです。バブルは崩壊しますが、(これから価格が急降下するとは)私は思いません」ともコメントしています。

 

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本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。