危機的状況のなか「次の一手」を探す経営者
改善の見通しが立たない少子化、「失われた30年」ともいわれる長期の景気低迷、そして今回のコロナ禍…。ようやく世界経済が上向いてきた矢先、再びの足止めを余儀なくされたいま、どの企業も懸命に生き残りの方策を探っています。
まさにコロナ禍で実感したとおり、ビジネスは想定外の変化に見舞われることが多々あります。景気動向はもちろん、不可抗力の自然災害や、人々の思考や価値観の変化によっても、マーケットが急速に開けたり、瞬時に消失したりすることは、容易に起こりえるのです。
しかし、景気や時代のトレンドに大きな影響を受けにくい領域も実在します。その一例が「教育ビジネス」です。
少子化においても「教育費」が低減しない理由
ご存じのように、日本では少子高齢化が進展しています。しかし、それに連動して教育費が減少しているかというと、決してそうではありません。
その理由として、共働き世帯の増加による世帯収入の増加、通塾の早期化などにより、ひとりの子どもにかける教育費が増大していることがあげられます。
また、文科省が推進する教育のICT(Information and Communication Technology)化、グローバル人材育成等に関する報道からもわかるように、子どもたちが学習・習得を期待される内容は年々増加し、かつ高度になっており、親世代もそれを認識しています。
いまの子どもたちが置かれている状況は、親世代が教育を受けた時代とは大きく異なっています。人口減少に伴う日本の国力の低下、景気低迷、AI化の進展による職務領域の消失など、複数の不安要素のなかにわが子が取り残されないよう、しっかりと教育を受けさせたいというのが、多くの親の思いなのです。
「ESG」「SDGs」の概念と教育ビジネスの親和性
そのような状況下で、教育ビジネスにはひそかに追い風が吹いています。ヒントは、近年耳にする機会の増えた「ESG」「SDGs」という概念です。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を合わせた言葉です。これまで、企業の価値は業績や財務情報を主眼に評価されていましたが、それのみでは企業経営の持続可能性が判断できないということから、「環境・社会・ガバナンス」といった情報を評価に取り入れる動きが出ています。
「SDGs」とは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された、2030年までに持続可能(サスティナブル)でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール、169のターゲットで構成され、「地球上のだれひとり取り残さない」ことを謳っています。
子どもの教育をサポートするビジネスは、これらふたつの概念に高い親和性が見出せます。教育とは、子どもに寄り添い、やる気や能力を育てることで、可能性を広げて夢の実現をサポートする、非常に意義深いものです。
教育ビジネスの大きな魅力は、子どもたちと同じステージで、見守り、教え、成長を実感する、その一連のやりがいに尽きます。収益の追求のみに注力する、株式投資や不動産経営とは一線を画すものなのです。
経営者が「教育ビジネス」に進出するメリット
可能性を秘めた、いままさに成長しようとしている子どもたちに向け、実績ある教育プログラムを提供し、より高い成果を求めて工夫を重ねていく。スタッフみんなで協力し合い、子どもたちを応援する。それが「やる気スイッチグループ」が提案するシステムです。
30年という教育事業の歴史のなかで培われた、すぐれた教育プログラムや教材の活用により、「やる気スイッチ」が入った子どもたちは、存分に力を伸ばし、ひとりひとりが抱く将来の夢へ、着実に近づいていきます。
展開する教室は、個別指導学習塾、幼児教室、キッズスポーツ教室、子ども向け英会話スクール、英語で預かる学童保育、バイリンガル幼児園、バイリンガル保育施設です。国内外では1700以上の教室、サポートした子どもたちは8万人。
「ESG」「SDGs」の潮流からもわかるように、これからは自社や株主の収益のみに着目したビジネスではなく、持続可能=サスティナブルでよりよい世界を目指すビジネスが、世界規模のトレンドになっていくでしょう。子どもの未来を拓く教育は、まさに「持続可能=サスティナブル」な事業であり、一層の需要、そして高い評価が見込まれる領域だといえます。
これからの時代の流れを意識する経営者にとって、多角化経営の一環としての「教育ビジネス」進出は、有力な選択肢となるのではないでしょうか。
庭野 匠
株式会社やる気スイッチグループ
やる気の科学研究所 所長