Aさんが別荘を購入した軽井沢千ヶ滝別荘地・新からまつの森地区

栄枯盛衰の激しい別荘地の市況だが、100年を超える長きにわたり、常にトップクラスの評価を得ているのが「軽井沢」だ。本連載では、軽井沢が別荘地として脚光を浴び続けている理由、そして軽井沢・別荘の賢い購入法などを紹介していく。第3回目は、実際に軽井沢に別荘を所有するオーナーに、別荘購入までのエピソードやお金まわりのことについてお話を伺った。

リタイア後、軽井沢で出会った運命の土地

実際に西武プロパティーズが管理・運営する「軽井沢千ヶ滝別荘地」に土地を購入し、別荘での暮らしを満喫しているAさん。数ある別荘地のなかから軽井沢を選んだ理由や現地での過ごし方、具体的にかかったコストの話などを伺った。

 

 

Aさんは東京都出身で現在72歳、東京・世田谷で奥様と二人暮らし。物流業界で48年のキャリアを持ち、ある企業のCOOを務めた経験もある人物で、昨年リタイアを迎えた。現在は東京の関連会社のコンサルタントを務めているものの、基本的には悠々自適の日々を過ごしている。

 

「もともと軽井沢は現役時代からよく訪れていた場所。家族でプリンスホテルに泊まり、冬はスキー、夏はゴルフと楽しんでいたので土地勘もありました。いよいよリタイアの時期が迫り、さてこれから何をしよう?となったとき、東京以外に住まいを持つというアイデアが沸いてきたんです」とAさん。

 

 

 

奥様が長野県出身で、長野で暮らしてみたいという希望もあったという。しかしAさんは生粋の東京人。「100%の田舎暮らしはツラい」と、自然を満喫しつつも、便利で文化的な生活ができる場所を探した結果、それが叶うのは軽井沢しかなかったという。

 

「軽井沢エリアに照準を定めて土地探しを始めたのですが、なかでも千ヶ滝別荘地の高原らしい爽やかな空気が気に入りました。日当りがよく、一区画が広々としていて隣との距離も十分。冬に訪れてみたら、見晴らしのよい雪景色一面に陽ざしがキラキラと輝いていて、あまりの美しさに “ここだな”とひらめいたんです。そのまま別荘管理事務所を訪ねて話を聞いたら、また担当の方がびっくりするほどよい方で。それから新緑のころにも訪れていくつか物件を巡り、今の場所に決めました」(Aさん)

 

千ヶ滝別荘地と運命的ともいえる出会いを果たしたAさん。購入したのは西区の「新からまつの森」というエリア。その名の通り、立ち並ぶからまつの緑がまぶしく、浅間山や八ヶ岳など自然あふれる眺望が楽しめることから近年人気が高まっている。

 

軽井沢千ヶ滝別荘地
軽井沢千ヶ滝別荘地。Aさんが別荘を購入した「新からまつの森」地区はエリア西側に位置する

美術館のような“非日常”建築。完全防音のスタジオも

広々とした敷地に一から家を建てるというのも、別荘を持つ醍醐味のひとつ。Aさんは懇意にしている建築家の方に依頼し、約100平米の和風モダンな平屋建てを完成させた。

 

 

「建築テーマは“非日常”。壁のうち2面はすべて特注の全面ガラス張りにし、地元の木材から切り出した円柱を等間隔に建てました。建物の中央にはアイランドキッチンのあるLDKがあり、外のウッドデッキにつながっています。夏は空気が巡り抜けて涼しく、冬は全室床暖房で暖か。住み心地がいいですね」(Aさん)

 

住宅というよりまるで美術館のような外観。ガラスを通してさんさんと日差しが降り注ぎ、思う存分日光浴を楽しんでいるという。土地面積は450坪で敷地内に木立もあるため、人目は気にならない。東京都心では考えられない贅沢なしつらえも、軽井沢なら可能だ。

 

さらにAさんには、別荘で叶えたい夢がもうひとつあった。

 

「大学時代からの50年来の趣味でフォークミュージックのバンド活動をしており、心おきなく練習ができる完全防音設備のあるスタジオがどうしてもほしかった。東京のマンションも防音仕様でしたが、やはり周りが気になるので……。別荘全体の大まかな設計は建築家の先生におまかせでしたが、これだけは譲れませんでした」(Aさん)

「後継者」ともよく話し合い、購入方法を選択

千ヶ滝別荘地に思い描いた通りの別荘を建設したAさん。実際にかかったコストや、相続、売却など将来の計画についても伺った。

 

 

「土地の所有権は約2,500万円でしたが、定期借地権という形をとったのでほぼ半額。初期費用が抑えられるのと、次世代のことを考えると選択肢が多いほうがよいと思い、この形にしました」

 

西武プロパティーズでは定期借地権の権利期間は32年間で、途中からいつでも所有権に切り替えることが可能だ。株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢営業所の藤原健太郎氏によると「軽井沢で現在新規で定期借地権付きの物件を扱っているのは当社だけ。イニシャルコストが抑えられるだけでなく、将来土地の価格が上昇しても、契約時の価格をもとに安く所有権が手に入るというメリットもあります。新規のお客様の約半数はこの形の契約です」とのこと。

 

「この別荘計画は、すでに独立している子供たちとも相談して進めましたが、彼らも気に入ったようで、すごく後押ししてくれました。まずは初期費用を抑えて定期借地権に。今後、子供たちが気に入れば所有権に切り替えてもいい。すべて家族の総意で決めました。資産価値については、昔とある別荘地を購入した知人が売れずに困っているという話を聞いて、慎重になったこともありました。ただ一方で、不動産事情に明るい知人の“軽井沢はこれからも大丈夫!”という言葉がすごく腑に落ちたんですよね。西武プロパティーズさんの管理体制も行き届いているし、将来のことは心配していません。私としては、子供、そして孫へと引き継いでもらい、永く別荘のある暮らしを楽しんでくれたらな、と思っています」(Aさん)

 

購入から先、出口もきちんと思い描けたことが、軽井沢で別荘を購入する後押しになったAさん。管理費や光熱費、水道代などの維持費や建築費に関してはどうだったのだろうか。

 

「ランニングコストは前もって西武プロパティーズさんに月10万円ほどといわれていたので想定内。ただ、上物の建物費用は当初2,000万円くらいと思っていましたが、最終的には2倍ほどに。せっかくだからと色々とこだわっていったら、完全に予算オーバーになってしまいました」とAさんは苦笑いするものの、表情は明るい。

 

「今は、だいたい月の半分は軽井沢に滞在する生活。妻と庭仕事をしたり、近くの温泉に行ったり、地元の新鮮な食材で料理したりと、飽きないですね。バンド仲間や友人が遊びに来てくれたときは、みんなで練習したりBBQしたり、にぎやかでこれまた楽しい。東京暮らしが長引くと、次に軽井沢に行くのが待ち遠しいんです」

 

四季折々の表情を見せる軽井沢。
「東京から1時間強で、四季折々の自然に出会えるのが一番の贅沢」とAさん

 

 

 

取材・文/立本美弥子 撮影/杉能信介(人物)
※本インタビューは、2019年1月25日に収録したものです。
※2022年4月1日付で、株式会社西武プロパティーズは、株式会社西武リアルティソリューションズへ商号を変更しました。

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