地方でありながら「地価上昇」が続く軽井沢の可能性
1970年代後半から始まった別荘ブーム。バブル景気とともにその人気は過熱し、日本各地のリゾート地に別荘やマンションが乱立した。しかしバブル崩壊後、過剰な供給や別荘ブームの終焉、人口減少もあいまってその価値は下落の一途を辿る。
当時の風潮に乗ってリゾート地に別荘やマンションを購入したが、ライフスタイルの変化や建物の老朽化によって現在はほとんど利用していない。そこで手放そうと思ったが、ときすでに遅し。売却しても二束三文にしかならない。そのようなケースはまだいいほうで、買い手が現れず、高い維持費だけを払い続ける“負の遺産”と化してしまった……。このような話を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。
インバウンド需要やオリンピック景気が期待される現在でも資産価値は盛り返すことなく、訪れる人も減り、町全体が静かに衰退してゆくようなリゾート地は全国に数多く見られる。
しかし、多くのリゾート地が凋落していくなか、軽井沢の別荘の資産価値は下がるどころか上昇傾向にあるという。株式会社西武プロパティーズ販売事業部リゾート事業担当の会沢氏によると、地価下落の著しい地方において、軽井沢の地価推移は“超”優等生なのだという。
「軽井沢町全体の地価は2013年ごろから上がり続けており、2018年における上昇率は前年と比較して2〜3%をキープしています。なかでも開発が進む発地(ほっち)エリアはとりわけ高い5%もの地価上昇率を記録し、これは長野県内の地価上昇率でトップの数字となりました。これまでの推移を見ても、軽井沢がこれから“負の遺産”になることは考えにくいですね」(会沢氏)
アクセスのよい軽井沢で「都会と自然のいいとこどり」
衰退するどころか現在進行形でリゾート開発が進み、地価上昇を続けている軽井沢。資産価値が保たれている理由は、もちろん大前提として過ごしやすい避暑地であること、昔からの歴史や文化を持つハイソサエティな土地柄であることなどさまざまな理由が挙げられるが、なかでもポイントになっているのが首都圏からのアクセスのよさだという。
「東京駅まで新幹線で66分というのは、十分に通勤圏として視野に入れられる時間です。週末や長期休みだけ軽井沢で過ごすという方に加え、近年では軽井沢を本拠地として通年過ごし、仕事や用事があるときだけ東京に通うという移住スタイルが増えています」と話すのは、日々軽井沢で別荘を検討する方々と相対する株式会社西武プロパティーズ販売事業部軽井沢営業所の藤原健太郎氏。
さらに、近年の「働き方改革」も追い風になっているという。ITの発展によってテレワーク導入が可能になり、場所や時間にとらわれず仕事ができるようになった。月〜金の5日間フルで会社に通わなければならないという、これまでのルールが大きく変化しつつある。
「たとえば週に3日だけ会社に出勤するという働き方になれば、さらに軽井沢は身近な存在になると思います。新幹線なら座ったまま快適に東京まで行けますから、近隣県から混んだ電車で1時間半かけて通勤するよりストレスも少ないですよね。現在は50〜60代の会社役員の方や医師、クリエイター業、セミリタイヤされている方に多いですが、これからは現役で働く世代の移住が増えていくのではと思います」(藤原氏)
豊かな自然を満喫しつつ、東京と変わりない文化的な生活が送れるインフラが整っているのも魅力だ。
「ショッピングやレストラン、温泉、ゴルフ場などの施設がコンパクトにまとまっており、東京ほどの混雑はないので、生活するうえでの満足度が非常に高い。東京に家を残したまま、すでに軽井沢に住民票を移している方も多くいらっしゃいます」(藤原氏)
別荘で最も大切な「管理」に絶対の自信
それでは、だいたいどのくらいの予算があれば「軽井沢に別荘を持つライフスタイル」を手に入れることができるのだろうか。
「地区にもよりますが、土地のみなら2000万円から購入可能です。上物の建築費用が2000〜3000万円として、初期費用はトータル5000万円ほどみておけばよいでしょう。中古物件を購入し自分好みのリノベーションを施す方法もありますし、定期借地権を利用した購入システムで初期費用を抑える方法もあります。その場合、毎月の地代はかかりますが、土地代は半額くらいでしょうか。あと、管理費、固定資産税、光熱費などのランニングコストは年間で70万~100万円程度みておけばいいでしょう」(会沢氏)
また軽井沢で別荘を購入するなら、広幅の道路からのアクセスがいい物件がおすすめだという。軽井沢の別荘のなかには森深い小路の先に位置していたり、崖下に位置していたりと、資産価値が著しく低い物件も珍しくないのだという。軽井沢の別荘を扱う会社のなかには、別荘を資産として捉える意識が低い会社もあり、別荘購入にあたり、まずは購入する会社選びが重要になってくる。その点、軽井沢で100年に渡る実績と経験を持つ西武プロパティーズなら安心だ。
「最大手のスケールメリットを生かし、豊富な物件のなかから提供するので選択肢が広がりますし、ソフト面でのサポートや管理体制は随一だと自負しています。長期間不在にするときも安心していただける巡回パトロールや、道路の除雪などの基本管理に加え、草刈りや落葉清掃、ハウスクリーニング、害虫駆除など、気候条件や風土に合わせたきめ細かいサービスを提供。どんな小さなことでも相談していただき、お客様の軽井沢での暮らしをより快適なものにするための努力を続けています」(藤原氏)
別荘購入後、その別荘の資産価値を保てるかどうかは、管理にどれほど手をかけたかという部分が大きい。だからこそ、別荘の管理は実績と経験が豊富な会社を選ぶべきなのだ。
第3回では、実際に西武プロパティーズの販売で軽井沢別荘オーナーとなった方に、実際の購入金額や別荘ライフについて話を伺っていく。
軽井沢のリゾートライフに新しい選択肢
2019年7月、プリンスホテルが初の取り組みとして、会員制リゾートホテル「プリンス バケーション クラブ」を軽井沢にオープンさせる。
浅間山の眺望がすばらしい静寂な雰囲気が魅力の「軽井沢 浅間プリンスホテル」に隣接するエリアに位置し、独立した別荘タイプのヴィラが1口年間30泊分(ホーム施設18泊分、相互利用施設12泊分)の権利がつき1,328万円(税込)、ホテルタイプの部屋が382.2万円(税込、うち預託金150万円)と、別荘購入に比べるとリーズナブルな価格設定となっている(価格はいずれも2019年2月現在、利用料金・年会費等別途)。また浅間山を望む温泉施設も建設中だ。さらに本人だけではなく友人などにも利用してもらえる使い勝手のよさも魅力のひとつ。別荘購入前にまずは軽井沢のよさを体験したいという人にもおすすめだ。
また同時期に伊豆長岡温泉にも「プリンス バケーション クラブ三養荘」も開業。軽井沢との相互利用も可能で、気分によって山と海の雰囲気を使いわけられる贅沢な過ごし方を提案してくれる。