不動産投資市場の不透明感が高まり、東京都心部エリアの物件の資産性が改めて評価される中、一等地の優良不動産をより手軽に購入できる「共同出資型不動産投資(所有権の共有持分購入)」が、資産防衛ポートフォリオの有力な選択肢として注目を浴びている。本企画では、相続対策にも有効な「共同出資型不動産投資」の魅力や最新事情を、株式会社コスモスイニシア・ソリューション事業部・投資運用商品課の北島祐二課長と山内崚汰氏に伺った。最終回のテーマは、「共同出資型不動産」と「表参道」エリアの組み合わせによる不動産投資の優位性についてである。

「超」人気エリアの物件を投資対象にする理由

前回は「共同出資型不動産」のメリットやリスクについて解説したが、今回は、具体的な例として、コスモスイニシアが提供するセレサージュシリーズを紹介していく。

 

第1弾は、2017年に発売されたセレサージュ代官山だ。代官山駅から徒歩1分にある4フロアの中古の商業テナントビルで、すでに完売している。そして、第2弾は2019年1月30日より販売を開始したばかりの、表参道駅から徒歩6分にある5フロアの新築の商業テナントビル「セレサージュ表参道」である。

 

 

セレサージュ表参道完成予想図
セレサージュ表参道完成予想図

 

 

代官山と表参道、いずれも「超」のつく人気エリアであり、しかもそれぞれ駅から1分と6分という距離からも、極めて資産価値の高い優良不動産であることがわかる。このような優良不動産が投資対象となっているのには、主に3つの理由がある。

 

1つ目は、いわゆる投資妙味の点である。「低い空室率による安定的なインカムゲイン」「物件価値が維持されやすく、出口戦略を立てやすい」という、エリアに由来する高い投資優位性がある点だ。

 

2つ目は、小口化するメリットが大きいということ。こういった都心立地の物件は、その優位性ゆえに、4~5フロアでも物件価格が数十億円になり、個人での購入には敷居が高くなりがちだ。そのために、「共同出資型不動産」として小口化して販売することにより、より多くの投資家が優良不動産所有のメリットを得られることになる。

 

例えば1億~2億円程度の物件であれば、個人で購入可能な人も多いだろうから、手間暇をかけてわざわざ小口化するメリットが少ない。しかし、セレサージュのような都心立地の商業テナントビルやオフィスビルを、その価格で購入することは極めて難しいからである。

 

3つ目は、第1回目で説明した、相続財産評価における路線価と市場価格とのかい離の点だ。都心で、かつたくさんの人が集まるエリアになればなるほど、「人気」や「将来性」といったプレミアムにより、市場価格が高くなり、路線価とのかい離が大きくなる傾向がある。つまり、相続財産として評価される際の資産圧縮効果が大きくなるというわけだ。

 

次に、具体的な数字を見ていこう。

 

セレサージュ表参道では、投資単位は一口500万円で、最低2口(=1000万円)から購入可能だ。1000万円の投資で表参道駅6分の商業テナントビルの共有オーナーになれる手軽さは、かなり魅力的である。

 

相続時の資産圧縮効果については、家族構成、資産の全体状況などによっても異なるが、80%程度の圧縮にはなると見込まれている。つまり、現金なら1000万円と評価されるものが、セレサージュ表参道を二口購入することで、200万円程度の評価に圧縮される可能性があるということだ。

 

インカムゲインについては、稼働率を保守的に見積もって95%(現在、都心エリアのオフィス空室率は1%前後)で計算しても、表面利回りが4.07%、手取りとなる分配金利回りが3.14%と想定されている。長期的に物件価値が維持されやすいエリア特性を持ち、かつ運営・管理費用や修繕積立金等をすべて引いた後の純粋なキャッシュフローが3.14%であれば、十分に魅力的ではないだろうか。

 

共同出資型不動産投資の「出口」をどう考えるのか?

コスモスイニシアソリューション事業部 投資運用商品課 課長 北島 祐二 氏
コスモスイニシア
ソリューション事業部
投資運用商品課課長
北島祐二氏

「セレサージュ代官山(完売)では、運営の手間がまったくかからないというご評価を、予想外に多くいただきました。また、物件を購入された方々のうち、はじめて不動産投資をされる方が、約6割というのも驚きでした。我々の想像以上に、多くの金融資産をお持ちになりながら、知識面での不安や手間の心配などから、これまで不動産投資に二の足を踏んでいた方が多くいらっしゃったということでしょうか」(北島祐二氏)。

 

また、「ご子息、ご息女と一緒にいらして『子どもが3人いるから3口買うよ』というように、将来の資産分割を想定して購入される方も多かったです。不動産は、実勢価格がわかりにくいという点から相続時のトラブルにつながりやすいのですが、セレサージュ代官山では、一口1000万円と価格がはっきりしていますので、その点も評価をいただいたのかもしれません」(同氏)という。

 

最後に、出口戦略について確認しよう。

 

一般の不動産投資同様、セレサージュシリーズにおいても物件を売却して出口となるが、売却時は1棟全体を売ることになる。そこで、売却の意思決定に際しては、組合員総会を開催して検討・協議の上、出席者の過半数の議決により決定される。

 

コスモスイニシア ソリューション事業部 投資運用商品課 山内 崚汰 氏
コスモスイニシア
ソリューション事業部
投資運用商品課 山内崚汰氏

ではいつ、売却が検討されるのかと言えば、「基本的な考え方としては、6~10年後くらいをメドに、不動産市況のよいタイミングを見計らって、私たちのほうから『そろそろ売却を検討しませんか』というご提案をさせていただきます」(山内崚汰氏)とのことだ。

 

1棟全体の売却であるから、組合総会において売却が決定すれば、自分はまだ保有していたいと思っても、売らなければならない。逆に、自分はもう売りたいと思っても、総会における過半数の決議がなければ売ることはできない。

 

その物件全体の出口の前に換金したいと思った場合は、前回説明したように、組合への出資持分を第三者に売却することになる。自分の知人で購入希望者がいない場合、現実的には、別の組合員か、または販売時に購入できずキャンセル待ちをしていた購入希望者に売却することになるだろう(※理事長であるコスモスイニシアで、購入希望者のあっせんも有り)。

 

いずれにしても、融資担保とならないことも合わせて考えると、セレサージュシリーズは、キャピタルゲインを狙って売買することに向いている商品ではない。じっくり保有して、確実にインカムゲインを得ながら、いざというときの相続に備える商品である。

 

 

相続はいつ発生するかわからない。万一に備えて、資産防衛ポートフォリオの一部に共同出資型不動産を加えておくことは、転ばぬ先の杖になるのではないだろうか。

 

取材・文/椎原芳貴 撮影/永井浩 
※本インタビューは、2019年1月11日に収録したものです。