前回は、フィリピン不動産投資で留意したい「売却タイミング」について説明しました。今回は、フィリピン不動産の「投資期間」の目安について見ていきます。

日本の物件は建物が完成した瞬間が最高値だが・・・

不動産投資は、日本国内においても海外においても「時間が経つと解決すること」があります。フィリピン不動産を融資で購入したら融資期間は10年、つまり10年支払いができれば、後は手残りが増えます。つまり、融資のある10年間は持ちきることが大事です。

 

焦って売ろうと思うから損をするのです。基本的に「慌てず急げ!」です。目先ばかりを見ているからこそ、判断を誤ってしまうのです。「不安がある」「思っていたのと違う」「支払いに自信がない」、そういうときにこそ、適切な情報を収集すべきです。しかし、周りに自分の失敗を過大に吹聴するなどして、得られるはずの利益を逃がしてしまう投資家もいます。

 

その結果、利益を得るために投資をしているにもかかわらず、損失を広げることになります。

 

 

総じて言えば、フィリピン経済は成長し続けます。つまり、時間を待つことさえできれば、損失もリカバリーできる可能性が高いのです。

 

対して、日本経済の大きな成長は見込めません。そのことを承知した上で、投資をスタートしたにもかかわらず、目先の利益だけを追ってしまう残念な投資家も少なからずいます。

 

10年もちきるのは長いと考える場合、ひとつの目安としては7年間の所有です。5年間は賃貸物件として運営して、5年後に様子を見ながら売りに出して、7年目で売りきることをひとつのサイクルと考えます。売れるまでに2年ほどのんびり様子を見ます。急いで売却しても最低1年はかかります。それくらいの余裕をもった計画で取り組まなければ、フィリピン不動産投資は失敗します。

 

日本の物件は建物が完成した瞬間が最高値で、賃貸も売買も高く付きます。その後、必ず値下がりしていきますが、フィリピンの物件は建ち上がったときに値が高くなり、その後もそのまま推移していきます。

 

「すぐ売却しなければ……」という考え方は、日本の常識を利用した販売方法なのかもしれません。日本でいくら実績のある不動産投資家であっても、この概念を理解できなければ、フィリピンでは素人投資家です。

「10年単位」で考えるフィリピンの不動産投資

プレビルドで売り出し直後に買った物件は、常にキャピタルゲインを含んでいます。とはいえ、私たちはキャピタルゲインをメインにした考え方はしないほうがいいと考えています。基本はインカムゲイン、キャピタルゲインはボーナスです。いざというときに、いつでも使えるボーナスがあると考えたほうが、余裕をもった運用ができます。

 

7年がひとつの目安としましたが、私たち自身は、フィリピンの不動産投資は基本的に10年単位で考えています。

 

 

日本だと20年、30年の住宅ローンがありますが、それはさすがに長すぎます。しかし、10年なら待てるのではないでしょうか。

 

10年経てば利益確定してもいいし、そのまま長期保有をしていてもいい。また10年後はフィリピンの事情にも詳しくなり、コネクションもできているでしょうから、もっと大きな物件にチャレンジするのもお勧めです。

 

基本的に発展を続けるフィリピンでは、良い場所の物件は、手放すともう高くなって入手できなくなる可能性があります。

 

日本にはヴィンテージマンションといった、昭和40年代に都心の一等地に建てられたプレミア物件があり、建て替えれば、その資産は大きく化けます。

 

フィリピンでもそれに見習い、今から好立地を押さえておくべきです。日本では「場所」こそが最大に重視されますが、歴史の浅いフィリピンでは、そこにセキュリティとアメニティが加わるのが特徴です。その真価が問われるのはこれからです。

 

フィリピン不動産投資は、ただ不動産に投資するのではありません。フィリピンの未来に投資をするのです。その観点で言えば、10年単位の視点は必要不可欠と考えます。

本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

億万長者になりたければ、 フィリピン不動産を買いなさい

鈴木 廣政・渡辺 頼子

幻冬舎メディアコンサルティング

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