前回は、フィリピン不動産の「投資期間」の目安を説明しました。今回は、フィリピン不動産の「実需ニーズ」を踏まえた出口戦略について見ていきます。

「借りる側」の立場が弱いフィリピンの不動産事情

出口として売却を考える場合、フィリピン不動産にも、実需のニーズはあります。実は、鈴木も自分が住む目的で家を探していますし、実需で買うときには、フィリピン人が日本人からも買うケースも大いにあります。渡辺が先日、アビダで11 件売却したラッシュセールの購入者は、すべてフィリピン人でした。

 

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フィリピンでは、日本よりも賃貸契約上、借りる側の立場が弱いものです。1年契約だったり、オーナー側から一方的な値上げを通告されるなど、日本では考えられないほどにオーナーの立場が上位です。そのためフィリピン人は、「自分の家を持ちたい! 買いたい!」という願望を持ちます。

 

昔は日本も、「自分の家をもって一人前」という意識がありました。「30歳くらいになれば一戸建てマイホームを建てたい」という願望を普通にもっていました。今のフィリピンも同じ状況と言えます。

 

しかし、基本的にフィリピン人は貯金をしません。月々の支払いはできても、まず頭金すらなくて物件を買えない人が多いのです。それが、フィリピンの企業は正社員になると住宅の積み立てがあります。

 

収入にもよりますが、月々に何千ペソ、その会社に継続して何年か勤めると、物件の頭金が用意できます。そこからローンを組めば購入が可能になります。

 

今、日本人たちが買っているのは、フィリピンで現地採用の外国人が借りるような価格帯の物件です。つまり富裕層向けとまではいかなくても、一般的なローカルから見れば、なかなか手が出ない高級な物件です。

 

ただ物件の購入者は、60%はフィリピン国籍でなければいけませんから、100%のうち40%が外国人、60%がフィリピン人だとすれば、フィリピン人が日本人の買うような価格帯の物件をほしがることもあります。

 

フィリピンでは所得格差が大きいため、かなりの資産をもった富裕層が存在しています(皆さんにとっては意外な事実かもしれません! もちろん、限られたエリート層ではあります)。また、チャイニーズフィリピーナのような地元の富裕層もいます。しかし純フィリピン人の大半は、物件を買うので精一杯でしょう。

地元のフィリピン人が日本人から物件を買うパターン

地元のフィリピン人が日本人から物件を買うパターンには、2種類あります。

 

・割安で売っているから買う。それがたまたま日本人の投げ売り物件だった。

 

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いわゆるローカルのフィリピン人は、リセール価格では買えませんが、売り急いでいるため大幅に値下げをするラッシュセールなら買います。つまり出口として実需のニーズはローカルのフィリピン人にもありますが、購入できる価格帯にずれがあるため、売るとしてもかなり安値になってしまいます。あくまで、いざというときのリスクヘッジとして考えてください。

 

・プレミアが付いた人気物件を、ローカルの富裕層が買う。

 

今かなり高騰した「セレンドラ」という物件や、「パシフィック・プラザ・タワー」など、ブランド力がある物件は、リセールでそんなに下がっていなくても売れます。

 

それに加えて、ペントハウス(最上階)は人気が高いです。「市場価格より高くても最上階がほしい!」というチャイニーズフィリピーナのような地元の富裕層が買います。

 

しかしその人たちは、そもそもプレビルドのほうが確実に安く買えますので、前者の地元の60%枠で買ってしまうケースが多いのです。なので、リセールを狙うのも多数派ではありません。

 

やはり出口を考えると、売るにしても、持ち続けるにしても、賃貸に出して回せる状況にしておかなければよくないでしょう。

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    本連載は、2016年2月27日刊行の書籍『億万長者になりたければ、フィリピン不動産を買いなさい』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    鈴木 廣政・渡辺 頼子

    幻冬舎メディアコンサルティング

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